日産GT-R(R32)が600万円超え? 国産スポーツカーの中古相場が高騰した理由とは
近年、1990年前後に販売された国産スポーツカーの価格が高騰しています。海外で人気があるといいますが、一体なぜなのでしょうか。
国産スポーツカー人気が止まらない
近年、1980年代後半から1990年代にかけて販売された国産スポーツカーの人気が高まっています。とくに、米国での人気は凄まじく、日本での中古相場が高騰するほどです。
なぜ、いまになって国産スポーツカーの人気が急上昇しているのでしょうか。
米国では、国内で販売されていない車種に関して、安全基準や排ガス試験をパスしていないため、個人で輸入しても基本的に一般道で乗ることができません。
しかしながら、製造から25年が経過した車種に関しては「クラシックカー」として認可されるため、排ガス検査なしで中古車輸入できるという制度(通称25年ルール)があります。
そのため、製造から25年が経過したクルマで、発売当時に米国へ輸出されなかった車種の人気がとくに高まっているのです。
そして、このような人気の理由には、映画やJDMといったポップカルチャーが関係しているといいます。
2001年に公開され、世界的に大人気シリーズとなっている映画「ワイルド・スピード」では、トヨタ「スープラ(A80型)」、マツダ「RX-7」、日産「スカイライン GT-R(R34型)」といった往年の国産スポーツカーが登場しており、若者を中心に人気を集めています。
また、JDMとはJapan Domestic Marketのことで、「日本国内市場向けの仕様」を意味しています。走り屋風カスタムをベースに、オレンジウインカー、カーボン製パーツ、リップスポイラー、小径ホイールといった「日本らしい」パーツなどを用い、JDM仕様にカスタムすることが人気のようです。
これらの国産スポーツカーブームを裏付けるように、YOUTUBE上には、アメリカでスカイラインGT-R(R32型)に乗っていたらフェラーリよりも注目されたという動画がアップされており、道行く人々が次々にドライバーに驚きの声をかける様子が映し出されています。
日本市場においても、40代以上のユーザーが当時「憧れのクルマ」であった国産スポーツカーを買い求める流れが起きているとされ、台数の限られたクルマをユーザーが奪い合うことが、価格の高騰に拍車をかけています。
このような背景をもとに国産スポーツカーの価格が高騰しており、なかには当時の新車価格を上回るモデルも登場しています。
最近の中古相場高騰について、日本で国産スポーツカーを中心にオークション売買をおこなっている専門店のスタッフは、次のように話します。
「10年くらい前までは、中古の国産スポーツカーやパーツは、タイやロシア・ウラジオストックに流れることが多かったです。これは、ドリフトやアマチュアレースを楽しむ人達が、比較的安く国産スポーツカーを買えていたこともあったからです。
そのときは、GT-R系よりもトヨタ『マークII 3兄弟(マークII・チェイサー・クレスタ)』や『スプリンタートレノ(AE86型)』、日産『シルビアシリーズ(S13・S14・S15型)』や『180SX』などが高騰しました。いまは比較的、中古相場は落ち着いていますが、日本市場では程度の良い個体やパーツはほとんどないといえるほどになりました。
その後、米国の25年ルールやワイルド・スピードの影響もあって、GT-R系やスープラ、RX-7といったモデル達が人気になっていき、いまにいたります。実際に、タイ、ロシアのときと同様に程度の良いものは高値で米国に流れているために、これらのモデルでも日本には良い個体が少なくなってきています。
そのため、新車価格よりも高い値段が当たり前の状況となっているのが現状なのです」
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