「ニコイチ」ってなに? 中古車でよく聞く修理方法の実態とは
「ニコイチ」は違法ではないが、申告しないで販売すると罪に問われることも
ニコイチは、クルマを動く状態で維持するためにやむなくおこなわれるものや、カスタマイズの一環として行われることが多いです。しかし、それとは別にあまり好ましくないニコイチ行為もあります。それはクルマの車体番号を貼りかえるというものです。
たとえば同型車で走行距離が2万キロしか走っていないものの、事故で全損級のダメージを負ったクルマがあるとします。
いっぽう、事故はしていないものの、走行距離が15万キロの過走行車があったとして、前者の2万キロの事故車の車体番号一式を後者の15万キロの車体に移植してしまうと、形式上は走行距離2万キロの無事故車ができ上がる、というものです。
いうまでもなくこの行為は違法行為であり、許されるものではありませんが、なかにはこういったニコイチ行為をおこなう悪徳業者もいるようです。
また、最近ではあまり聞かなくなりましたが、事故でつぶれてしまった部分をスッパリ切り取り、別の同型車のボディを継ぎ足すという修理方法もニコイチのひとつといえます。
このような修理方法は、一般的な中古車店やオートオークションではほぼ確実に見抜かれるくらいずさんな修理ですが、ネットオークションのような個人売買では見抜くことがなかなか難しく、安さだけに惹かれてつい手を出してしまうと後で痛い目をみることになるかもしれません。
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「ニコイチ」ということばは、しっかりとした定義が厳密にはないため、「どこからどこまでがニコイチか」というのはなかなか難しいところではあります。
しかし、すこしでもニコイチの疑いがある中古車を購入するのであれば、どういう経緯でニコイチになったのかを理解し、しっかりと納得した上で手に入れたいところです。
Writer: 小鮒康一
1979年5月22日生まれ、群馬県出身。某大手自動車関連企業を退社後になりゆきでフリーランスライターに転向という異色の経歴の持ち主。中古車販売店に勤務していた経験も活かし、国産旧車を中心にマニアックな視点での記事を得意とする。現行車へのチェックも欠かさず活動中。
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