なぜ100万円以下の軽自動車激減? 小型車とのポジションが逆転した理由とは
日本市場で軽自動車の人気は留まることを知りません。2019年も、自動車メーカーは新型軽自動車を続々と投入するなど、「軽自動車の年」といえるほどの盛り上がりを見せています。機能や装備でも充実化が図られ、いまや小型車を凌駕するほどのモデルも存在するほどです。
軽自動車と普通車に起きている逆転現象とは
一昔前まで、軽自動車といえば安く購入できる代わりに、普通車に比べて安全・快適装備が少なく近場での利用がメインなクルマでした。
しかし、最近の軽自動車は普通車に引けを取らないほど装備・機能が充実し、軽自動車の価格も年々上昇傾向です。いまや200万円近いモデルも存在するため、普通車との差別化が難しくなっていますが、なぜ軽自動車は上級志向の市場に路線変更したのでしょうか。
2018年1月から12月の国内新車販売台数(軽を含む)では、ホンダの軽自動車「N-BOX」が24万1870台を販売して2年連続のトップとなり、販売台数の上位10車種のうち軽自動車が7車種を占めるなど、日本の新車市場では「軽自動車」の人気が高まっています。
また、自動車検査登録情報協会の調査によると、軽自動車の保有台数は2000年に2000万台、2018年には3000万台以上と、軽自動車は自動車の総保有台数において約4割を占め、「通勤・通学」や「買物・送迎」といった日常にはなくてはならない存在となりました。
これほどまでに人気が高まった理由には、軽自動車の上級化があります。一昔前まで、軽自動車は万が一の事故時の安全性にマイナスなイメージがありました。
しかし、売れ筋のN-BOXには安全運転支援システム「ホンダセンシング」、スズキ「スペーシア」は予防安全技術「スズキ セーフティ サポート」など、衝突被害軽減ブレーキや誤発進抑制機能などの安全機能が標準装備化することで、マイナスなイメージが無くなりつつあります。
また、2019年3月に日産と三菱が共同開発した「デイズ」「eKシリーズ」には、高速道路同一車線運転支援技術「プロパイロット(三菱はマイパイロット)」を搭載するなど、運転時の快適性も格段に向上しています。
最近の軽自動車について、日産の販売店スタッフは次のように話します。
「ここ数年で軽自動車は、走行性能・安全機能・快適装備などあらゆる面で普通車と変わらなくなっています。また、弊社に限っていえば『マーチ』や『キューブ』といった小型車がありますが、どちらも古いモデルといえ、新型『デイズ』と価格帯やパッケージで比べると見劣りします。
また、軽自動車最大の魅力といえる維持費の安さもあって、他社も含めて100万円台から設定される普通車のポジションが奪われつつあるように思います」
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実際に、価格帯(消費税込み)では、マーチ(115万1280円から)に対して、デイズ(127万3320円)と軽自動車と普通車の価格で逆転現象が起きているのです。
この理由について、前出の販売店スタッフは「軽自動車の安全面で車体自体の構造が大きく進化したこと、安全装備の標準装備化などが最大の要因です」と話しています。
軽自動車が維持できるしか収入がないので、本当はレクサスも乗ってみたいけれどあがいてもむりなのです。