なぜタクシーだけ定番装備に? ドアミラーでなくフェンダーミラーが残る理由とは
現在、市販されている新型車のほとんどはドアミラーを採用しています。しかし、タクシーで使われる車両ではいまでもフェンダーミラーを装着しています。なぜ、フェンダーミラーを採用しているのでしょうか。
タクシーにフェンダーミラーが多い理由
全国各地で見かけることの多いタクシー。国土交通省が2017年に発表したデータでは、23万0098台ものタクシー車両が街中を走行しています。
過去に、タクシー車両といえばトヨタ「クラウンコンフォート」や日産「クルー」が定番でしたが、最近ではトヨタの次世代タクシー車両の「JPN TAXI」が増えているのです。
しかし、クラウンコンフォートやクルー、そして次世代タクシーとして登場したJPN TAXIまでもが、一般的なクルマと違いフェンダーミラーが備えています。なぜ、普及しているドアミラーではないのでしょうか。
タクシー業界には、法人タクシーと個人タクシーの2種類が存在。それぞれ、細かく決められた条件をもとに国土交通省などから認可を受けて営業をしています。
タクシー車両自体の大きな違いとして、法人タクシーの場合は基本的にある程度まとまった車両を一括で購入・管理しているため、自動車メーカーが販売する専用車両を用いることが多いです。
対して個人タクシーは、個人購入した車両をタクシー仕様にカスタマイズしているため、ある程度の種類が選択肢にあり、一般的なクルマと共通しています。ドアミラーなどは、共通部品となるために個人タクシーはドアミラー車が普及しています。
では、なぜタクシー専用車はフェンダーミラーが採用されているのでしょうか。JPN TAXIを開発・販売するトヨタは次のように話します。
「ドアミラーの場合、助手席に人が乗った際にミラーを遮って左後方視界が悪くなる可能性があります。また、ドアミラー車の助手席に乗ったお客様からは、乗務員のミラー確認時に『見られている』と気にする方もいらっしゃるようです。そのため、JPN TAXIでもフェンダーミラーを採用しています。
また、オプション設定としてルームミラーに電子インナーミラー機能を付けたものもあるため、後方視野角が広く、後席に同乗者がいても後方を確認しやすくなっています」
また、実際にフェンダーミラー車を採用している大手タクシー会社は、次のように話します。
「フェンダーミラーは、ドアミラーと違い車両の前方に付いています。そのため、運転時の目線移動が少ないことやドアミラー特有の死角が少ないなどメリットが多いため、タクシー業界で使われる専用車は、フェンダーミラーなのです。
もうひとつのメリットとしては、車体の端に付いているために車幅感覚を捉えやすいため、狭い道路でのすれ違いでも不安要素が減ります」
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一般的なドアミラー車に乗るユーザーから見慣れないこともあり、不安に思えるフェンダーミラーですが実際にはドアミラーとは違ったメリットも多く存在するようです。
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