なぜタクシーだけ定番装備に? ドアミラーでなくフェンダーミラーが残る理由とは
これからのタクシー車両はどうなる?
トヨタのJPN TAXIは、2017年11月の発売から1年で約8000台を販売。その後も全国のタクシー会社での採用が広がるなど、普及しつつあります。
とくに、大手タクシー会社では、2019年内に全車をJPN TAXIに入れ替えるという方針を決めているところもあり、都市部ではJPN TAXIを見かける機会が多くなりました。
対して、日産でもタクシー専用車両の「NV200 タクシー」を販売していますが、街中ではトヨタ「JPN TAXI」の方が見かける機会が多いです。なぜトヨタの方がタクシー業界で多く採用されているのでしょうか。
JPN TAXIが選ばれる大きな理由としては、オリンピック関連事業の1つとして開発された、新型タクシー車両(JPN TAXI)は、環境問題やバリアフリー問題にフォーカスして国際的に通用する、「世界に誇れる」クオリティのモビリティを提供することを目的とされています。
そのためには、従来タクシーの定番車として販売されていたクラウンコンフォートでは、環境面や利便性がクリアできなくなることから、JPN TAXIは次世代タクシーとして登場させた経緯があるようです。
一方で、日産でも2010年に小型商用車「NV200バネット」をベースにした「NV200 タクシー」を発売しています。2014年に旧型のタクシー用車両「セドリック」の生産を終了したことや、ニューヨークでタクシーの次世代標準機種に選出されたことにより、徐々に日本国内のタクシー市場でも普及し始めました。
トヨタ製のタクシーが多い理由について、前出の大手タクシー会社は次のように説明しています。
「国内のタクシー市場でトヨタのシェアが高いのには、単純にメーカーのバックアップが強い以外にも、乗務員側の慣れやイメージの問題もあるかと思います。ここ数十年のタクシーといえばトヨタ『コンフォート』が代名詞でした。
その後も、ハイブリッド車の『プリウス』など多くのタクシーに採用されるなど、常にトヨタ車がタクシー業界に定着しています。そのため、いまのタクシー業界には『タクシー=トヨタ車』というイメージがあるのかも知れません。
また、『JPN TAXI』は登場後に車椅子の積載問題などもありましたが、改善パーツの無償配布や改良車両の登場など、素早い改善対応をしていることも信頼というイメージに繋がっています」
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なお、NV200 タクシーはフェンダーミラーではなくドアミラーを採用しています。その理由について日産は「ベースのNV200バネットがドアミラーのため」と説明しています。
フェンダーミラーとドアミラーは、両者それぞれのメリットがあるようですが、JPN TAXIの登場によって法人タクシーはフェンダーミラーが普及し、個人タクシーは市販車両と同じドアミラーが増えていくことになりそうです。
【了】
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