3年で転落死79人…「人食い用水路」 車ごと飲み込む岡山県の側溝の今を探る
用水路への転落事故を防ぐためにドライバーが心得たいポイント
用水路の怖さは、その大きさや水深の深さだけではありません。転落によって起こるパニック状態にも注意が必要です。落ち着けば足が立つような浅い場所でも死亡事故が起きるのは、パニックに陥ったために体勢を整えられなくなることが原因でもあるのです。

クルマごと落ちるような用水路は少ないとはいえ「もしも」がないとはいい切れません。転落してしまってからでは体が思うように動かなくなる危険性が高まります。分かりきったことではありますが、「転落しないこと」が何よりも重要になります。
日頃から、側溝や用水路、田んぼなどへの転落を起こさないように走行中に気をつけておきたいポイントをご紹介しましょう。岡山県警の行う安全啓発では、二輪・四輪ドライバーに共通する注意点を「脇見をしながらハンドル操作を行なわない」「夜間は必ずライトを点け、道路をよく見て走行する」「道路が冠水するような雨天時には運転(外出)を控える」と3項目挙げています。
どれも当たり前の内容ですが、注意が散漫になった時にできる「一瞬の隙」が事故を招く原因になりやすいので、日頃から安全な走行に意識を向けておく必要があります。明るい時間帯であっても脇見運転は決して行わないこと。前方確認やハンドル操作に集中し、常に事故回避の意識を持ちましょう。
また、用水路の転落事故は他県でも起きています。河川や池、海、田んぼなど水場への転落事故全体ではかなりの件数になります。警察庁が発表した2017年度の水難事故は1341件、そのうち死亡事故は654件もあり、決して珍しい事例ではありません。
用水路は特に珍しくないものですが、幅の狭い側溝でも脱輪して動けなくなるケースも少なくありません。トラブル回避のために、道路の状況には常に注意を払いながら走行したいものです。
雨天時でも緊急で外出しなければならない場合もあるかもしれませんが、そのような場合には「知らない道を走らない」「車線変更をなるべく控える」「水がたまって側溝が見えなくなっている道の端にはクルマを寄せない」など慎重に走行し、不安を感じたら一旦停止して状況を確認する冷静さを持ちましょう。
【了】






