なぜ設定される? ラインナップに特別仕様車が存在する理由とは
クルマには特別仕様車が設定されることがあります。文字通り特別な装備が施されたモデルなので、その登場を心待ちにしている方も多いのではないでしょうか。特別仕様車でしか手にはいらない仕様など、プレミア感の強い特別なモデルは、いったいなぜ作られるのでしょうか。
特別仕様車とはどんなクルマ?
一般的に販売されているクルマには、カタログモデルと呼ばれる通常のラインナップと期間や台数を定めて限定で販売する特別仕様車にわかれます。
特別仕様車はカタログモデルのグレードとは別に、特別な装備を付加したお買い得モデルであることが多く、期間限定や台数限定で発売されることが多いモデルです。なかにはオプションパーツが複数装着されており、単品で装着した場合よりもお買い得な価格に設定された特別仕様車や、専用設定のカラー、シート、オーディオなど、プレミアムな装備を付加する仕様も存在します。
2019年2月、マツダ「ロードスター」に30周年記念車が登場しました。レーシングオレンジのボディーカラーに合わせてオレンジ色にカラーコーディネートされたRECARO製シート、Boseサウンドシステムなどの特別装備を搭載したモデルです。
そこで、マツダの広報部に特別仕様車の位置付けについて質問してみました。
──マツダロードスターに特別仕様車を設定した狙いはどこにありますか
マツダのブランドアイコンであるロードスターの生誕30周年を記念して、これまでの30年間を支えてくださった世界中のお客さまへ感謝の気持ちを届ける一環として、特別なロードスターを設定しました。
──30周年を記念したモデルなど、定期的に特別仕様車は設定されるのでしょうか
生誕を記念した過去の特別仕様車は、1999年1月に「10周年記念車」、2009年7月に「20周年記念車」、2014年4月に「25周年記念車」を発売しております。なお、5年ごとに特別仕様車を作るなどの決まりがあって作っているわけではなく、お客様からの期待も踏まえ、設定を検討しています。
──ロードスター30周年記念車はカタログモデルと比較して、どの程度お買い得になっていますか
今回の特別仕様車はお買い得感を求めたものではなく、ロードスターの30年間を支えてくださったファンの皆様への感謝の気持ちを込めた、特別感ある1台に仕立てた、希少価値の高い仕様となっています。
──設定されている販売台数が少ない意図はどこにありますか
今回の特別仕様車は、30年間を支えてくださったファンの皆様への感謝の気持ちを込めた特別感ある1台に仕立てており、希少価値の高い1台となっています。お買い得感で感謝の気持ちを表すという考え方もあるとは思いますが、ロードスターファンの皆様の当社への期待は「自分だけのスペシャルな1台」であると考え、その期待に応える特別仕様車を考えました。そのため、特別仕様車のためだけに仕立てた装備やカラー、シリアルナンバー入りのプレートなど、オンリーワンのアイテムを加えています。
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特別仕様車は、新型車の発売から年月が経ち、人気がひと段落した時期や、話題性がなくなったタイミングで出されることも多々ありますが、このロードスターの30周年記念車のように、ユーザーのためのスペシャルな1台もたびたび登場しています。メーカーにとってもユーザーにとってもさまざまな意味を持つモデルなのです。
ただひとついえるのはどんな理由で設定されたとしても、特別感であったりお得感であったり、カタログモデルに+αとなる付加価値があるモデルだということ。そう考えると、特別仕様車が次はどのモデルに設定されるのか、楽しみではないでしょうか。
【了】
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