日産新型「デイズ」は軽自動車を超えた! 本気を見せた日産がライバルを圧倒する
エンジン・CVT・HVシステムを新たに開発
新型デイズに用意されるパワートレインは、S-HYBRID、S-HYBRID+ターボ、自然吸気エンジンの3タイプです。自然吸気でも最大でトルクが15%アップしたという新開発のエンジンは、発進加速が大幅に向上しています。
また新開発のCVTは副変速機を廃し、ギア比の上下幅を広げることで実用域での加速を力強く制御。低フリクションベルトなどの燃費向上技術や、アクセルペダルをほぼベタ踏みにすると、伸びのある加速を体感できるDステップ変速を軽自動車として初めて採用しています。
新ハイブリッドシステム「S-HYBRID」は、従来の鉛酸電池2個のうち1個をリチウムイオン電池に変更したことで、回生エネルギーが約2倍、アイドリングストップ時間が約10%アップ、モーターアシスト時間が10倍以上に進化しました。
まずはS-HYBRIDから走らせてみると、発進直後こそやや制御のギクシャク感があるものの、穏やかで必要十分な加速フィールです。低速から中速では踏み込みに対してプラスαの余裕がある感覚で、加速・減速の繰り返しでもストレスなく走ってくれます。
ステアリングも適度な手応えがあり、直線ではシッカリとしていてカーブではしなやかな足まわりと相まって、心地よさや安心感が高いです。高速道路の合流などでは、もう少し力強さが欲しいなと思う場面もありましたが、実用面でいちばんよく使う範囲の走りやすさがしっかりと感じられました。
そしてS-HYBRID+ターボに乗り換えると、加速フィールはとてもトルクフル。加速と減速のつながりがやや雑に感じた場面もありましたが、メリハリがあるという捉え方もでき、ここぞという場面でしっかりパワーが引き出せる印象です。
足まわりにも少し硬さが加わって、コーナリングの剛性感がよりガッシリと高まります。そのおかげもあってか、プロパイロットを作動してもステアリングが常にフラフラすることもなく、安定して前走車を追従してくれました。
新型デイズをドライブした日はかなり強風が吹いていたのですが、室内がとても静かだったことに感心しました。パワフルに走りながらも穏やかな時間が流れる室内は、もはや軽自動車ということを忘れてしまいそうでした。
女性の視点を取り入れた新型デイズ
新型デイズを運転してみて感じたことは、女性の感性にも違和感のない操作感やフィーリングにこだわっているということです。評価チームに女性が在籍し、男性の開発者や評価担当者と意見をぶつけ合いながら、女性視点でも熟成を重ねてきたというのです。
とくに、女性ドライバーに多い“カカトを床につけずにブレーキペダルを踏む”ことを考慮して、それでも自然に効くようなフィーリングとしたり、近年の日産車が採用しているプラットフォーム型ではなく、一般的な丸いステアリング形状としたのも、運転に不慣れな人でも違和感なく操作できるように配慮されているということです。
そして、「もしかしてウインカーの位置も他の日産車よりステアリングに近づけていませんか?」と開発者に聞くと、その通りだとの答えが返ってきました。
小柄な女性は手のひらも小さいので、ステアリングに手をかけたままだとウインカーレバーを操作しにくいのですが、そこまで検証していることに驚きました。
デザインや先進装備の充実ばかりに目がいきがちですが、新型デイズの良さは、こうした一見すると気づかない、目には見えない部分にまでしっかりと“日産の本気”が込められているところです。
新型デイズは、単なる「日産の軽自動車」ではなく、「いちばん小さい日産車」というわけです。それほどの完成度の高さを実感させてくれました。
【了】
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