なぜ四駆にこだわる? スバル・三菱が独自の4WD技術に力を入れ続ける理由
4月9日は四駆の日です。四輪に駆動力を伝えて走行する駆動方式ですが、国産メーカーでスバルと三菱が四駆性能にこだわる理由は、どのようなところにあるのでしょうか。
水平対向と左右対称のAWDシステムによって安定した走行が可能に
毎年4月9日は「四駆の日」。自動車メーカー各社もツイッターなどで「#四駆の日」とし、情報を発信しています。四駆とは四輪に駆動力を伝えて走行する駆動方式ですが、国産自動車メーカーのスバルと三菱はとくに四駆性能にこだわっています。その理由は、どのようなところにあるのでしょうか。
スバルは、1972年には量産乗用車として初めて「レオーネ」にAWDを設定するなど、四駆の先駆者として歴史があります。
2018年暦年のスバルのAWD車の販売比率は、国内では87.4%(OEMモデルは除く)、世界では98%と、AWD車の販売比率が非常に高いのです。
国内のラインナップでは、ダイハツからOEM供給を受ける小型車、軽自動車とトヨタ「86」と兄弟車の「BRZ」、「インプレッサ」はAWDに加えてFFも用意していますが、それ以外のすべてのモデルが全車AWDであることを考えると、スバルの四駆率が高い理由もうなずけます。
また、スバルの日本国内の登録車シェアは2.90%ですが(スバル調べ:2018年9月時点)、東北地方でのスバル車のシェアは3.62%と全国平均に比べて高くなっており、これは豪雪地域での信頼性の高さを物語っているといえます。
スバルのAWDは、水平対向エンジンと、左右対称の構造をした「シンメトリカルAWD」を組み合わせた独自の四駆技術により、低重心で前後左右のバランスに優れたパワートレインを実現。四輪に適切に荷重がかかるため、どんな道でも安定感のある走行を可能にしています。
さらに、車種ごとに複数のAWDシステムを用意しているのも特徴です。
たとえば、「アクティブトルクスプリットAWD」を搭載した「インプレッサ」「XV」「フォレスター」「レヴォーグ(1.6リッター)」では燃費と安定性を重視し、「DCCD方式AWD」を採用した「WRX STI(MT)」では操る楽しさを追求するなど、各モデルのキャラクターに合わせてきめ細やかに設定できるよう、4種類のAWDシステムを使い分けています。
安全を最優先させることを目的とし、四駆性能に磨きをかける
SUVモデルのフォレスター、XV、レガシィアウトバックでは、「X-MODE(エックスモード)」と呼ばれる悪路走破性をより高める機能も備わり、深い雪やぬかるみなどにはまっても、四輪の駆動力やブレーキなどをコントロールすることで容易に脱出することができます。
スバルでは、四駆にこだわる理由を次のように説明します。
「安全を最優先させることを目的とし、水平対向エンジンとシンメトリカルAWDを組み合わせて操縦安定性を図っています。
操縦安定性が高いということは事故などの危険回避性能が高いということであり、その結果、ハンドリング性能が良くてスポーティで楽しい走りを実現しました。
また、水平対向エンジンとAWDの安定性だけでなく、運転支援システム『アイサイト』の全車標準搭載や視界の良さなども含めて、総合安全性能を重視しています」
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