トヨタ・日産のミニバンは好調も 元祖的存在「ステップワゴン」はなぜ伸び悩むのか

「ステップワゴン」、スペック的にはライバルと大差ないのになぜ苦戦?

 日産「セレナ」、トヨタ「ノア3兄弟」、そしてホンダ「ステップワゴン」はそれぞれ同じようなパワートレインのラインナップを設定しています。

 日産は、ガソリン車(2リッターエンジン)、ハイブリッド車(2リッターエンジン+モーター)、e-POWER車(1.2リッターエンジン+モーター)。トヨタはガソリン車(2リッターエンジン)とハイブリッド車(1.8リッター+モーター)となり、先進安全技術でも各社グレード差は存在しますが、全体的にはほぼ同等のレベルといえます。

 ホンダ「ステップワゴン」の販売状況について、前出の販売店スタッフは次のように話します。

――購入されるユーザーにはどのような特徴がありますか

「ステップワゴン」のメインターゲットはファミリー層です。しかし、弊社はコンパクトミニバンの「フリード」や軽自動車の「N-BOX」などのモデルもラインナップしています。

 一概にキャラクターが被るクルマではありませんが、お子さんが一人の場合など『ステップワゴンほど大きくなくても良い』というお客様もいらっしゃいます。

 そのため、ホンダのクルマとして選択されるときには、ある程度のサイズ感があって、多人数で移動する機会が多いということでなければ、ほかのモデルをおすすめしています。

※ ※ ※

 メーカー内のミニバンラインナップにおいて、日産はミドルサイズの「セレナ」・フルサイズの「エルグランド」と乗用モデルでは2種類しか選択肢がありません。

左からトヨタ「ヴォクシー・ノア・エスクァイア」

 また、トヨタは「ノア3兄弟」や「エスティマ」、「シエンタ」など多くのミニバンラインナップを持っているほか、個々モデルの個性や差別化を図った結果、デザインが際立ったモデルなどにおいて指名買いがあるほどです。

 ホンダのミニバンは、「ステップワゴン」「フリード」「オデッセイ」という3種類ですが、同社全体のラインナップとしては、ステーションワゴンタイプの「ジェイド」「シャトル」や軽ワゴンの「N-BOXシリーズ」など、ミニバンではなくてもユーザーニーズが被るようなモデル展開がされています。

 そのため、「ステップワゴン」を指名買いするほどでなければ、ミニバン以外の選択肢が存在するために、ライバル車と比べて販売台数を稼げる体制ではないのかもしれません。 
 
【了】

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Writer: くるまのニュース編集部

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