マツダ「アクセラ」消滅は濃厚か 「マツダ3」で事前予約開始 車名変更の影響は?
予約受注はメーカーにとっては好都合だが、ユーザーにはデメリットも…
マツダに限らず今の自動車メーカーは、生産や納車を伴う発売に先立って早々に予約受注を開始します。そうすれば売れ筋グレードや人気のオプション装備が発売前に分かり、メーカーも生産計画を立てやすいからです。
そして生産を開始した時には、相当な受注が溜まっていますから、迅速に効率良く納車を開始できます。その方がメーカーにとって都合が良いのです。
その代わり予約したユーザーは、注文してから半年近く待たされることもあります。しかも予約受注の段階では実車がなく、セールスマンも運転した経験がなければ、正常な商談はできないでしょう。
洋服を買う時でも試着するのですから、高額商品でクーリングオフの対象外となるクルマなら、試乗して買うのが当たり前です。
そこで間違いのない判断をするために、発売後に試乗してから購入しようとすると、納期がさらに伸びてしまいます。「『マツダ3』の試乗車が販売店に入る時期は、おそらく6月以降になるでしょう」(前出のマツダセールスマン)
この時には相当な受注が溜まっているでしょうから、試乗してから契約すれば、納車が年末になる可能性もあります。
つまりユーザーは、クルマの良し悪しが分からない状態で注文するか、納得した上で契約して納期遅れを我慢するか、という選択を迫られるのです。
「マツダ3」に画期的なガソリンエンジン「スカイアクティブX」モデルも設定
販売店の資料によると、「マツダ3」のボディは5ドアハッチバックとセダンが用意され、エンジンは直列4気筒1.5リッターと2リッターのガソリン、1.8リッターのクリーンディーゼルターボ、2リッターのガソリンながら圧縮着火のメカニズムを採用してスーパーチャージャーも備えるスカイアクティブXの計4機種になります。
先代型「アクセラ」に比べると、2リッターのガソリンが復活してスカイアクティブXも新たに加わります。また、セダンに設定されていたハイブリッドは廃止されました。ディーゼルは、以前は1.5リッターと2.2リッターでしたが、新型は1.8リッターのみです。
「マツダ3」に興味があるなら、早めに販売店に出向き、詳細な情報を仕入れておくと良いでしょう。販売店で得られる情報に比べると、ウェブサイトなどの公式な内容は、大幅に簡素化されているからです。
【了】
Writer: 渡辺陽一郎
1961年生まれ。自動車月刊誌の編集長を約10年務めた後、2001年にフリーランスのカーライフ・ジャーナリストに転向。「読者の皆さまに怪我を負わせない、損をさせないこと」が最も重要なテーマと考え、クルマを使う人達の視点から、問題提起のある執筆を得意とする。