こんなの二度と出ない!? 奇想天外なデザインのクルマ5選
最近のクルマのデザインはあえて画一化する方向となっています。あまり冒険したデザインは避けられていますが、かつては大いにデザインを冒険したころもあります。そこで、大胆なデザインのクルマ5車種をピックアップして紹介します。
名車か迷車か!? ユニークなデザインのクルマ5選
新型車がヒットするかしないか、その明暗を分ける重要な要素のひとつは外観のデザインです。
そのため自動車メーカーは優秀なデザイナーを育てたり、有名なデザイナーにデザインを依頼して、時間とお金をかけて外観を決定します。
一方、最近のクルマはあまりデザインで冒険しないイメージがあります。大ヒットしたクルマが出ると、モデルチェンジしても大きくデザインを変えない、いわゆる「キープコンセプト」を狙いますが、ユーザー目線では目新しさがないのも残念です。
そこで、過去に販売された日本車のなかから、大胆なデザインのクルマ5車種をピックアップして紹介します。
●ダイハツ「ミゼットII」
日本が高度成長期に突入していた1957年、町の酒屋さんや八百屋さんの配達の頼りになる3輪の小型トラックの名車ダイハツ「ミゼット」が誕生しました。
それから40年ほど経った1996年、ダイハツから「ミゼット」のデザインとコンセプトを継承した軽トラック「ミゼットII」が発売されます。
「ミゼットII」はさすがに3輪ではありませんが、1996年当時の軽自動車規格よりも小さく設計され、1人乗り(デビュー時。後に2人乗りも追加)で、かつ装備も可能な限り簡素化され、荷物の運搬に特化したクルマでした。
また、「ミゼットII」のユニークさはデザインのみならず、ベルトコンベアに乗ったラインやロボットを使わず、手作りの生産ラインだったこともあります。
これは熟練者の技術を若い人に伝承することと、熟練者の技能を十分に活用する目的からでした。
一見非効率な生産方法でしたが、価格は46万9000円(消費税含まず)からと非常に安く、商売ではなく趣味で買うユーザーもいたくらいです。
●スズキ「ツイン」
1997年にドイツのスマートから2人乗りのマイクロカーが発売され、大きな話題になりました。このスマートの日本版といえるのが2003年に発売された軽自動車スズキ「ツイン」です。
通常、軽自動車の寸法は規格内ギリギリに拡張されて設計されていますが、「ツイン」は手軽に使えるクルマとしての使われ方を想定して、全長はわずか2735mmとなっていました。
デザインはとにかく「丸」を基調としていて、ヘッドライトもテールライトも丸く、全体のフォルムもコロッとしています。
さらに、「ツイン」には軽自動車として初のハイブリッド車もあり、これはエンジンとトランスミッションの間に薄型モーターを配置して、加速時などにエンジンをアシストするマイルドハイブリッドでした。アイドリングストップシステムも採用され、34km/L(10・15モード)の超低燃費を実現しています。
極力シンプルな装備により価格は49万円(5MT、消費税含まず)からと低価格になっていましたが、やはり2人乗りでは販売台数は苦戦し、僅か2年8か月ほどで販売を終了。ちなみにハイブリッド車の価格は129万円からとなっていました。
●日産「マイクラC+C」
2代目日産「マーチ」にはソフトトップのオープンカー「マーチ カブリオレ」がありました。3代目になった「マーチ」にはオープンカーは設定されませんでしたが、2007年に「マーチ」とは別車種という扱いで「マイクラC+C(シープラスシー)」がデビューします。
「マイクラ」は欧州向け「マーチ」の車名で「マイクラC+C」は「クーペ」+「コンバーチブル」、つまり開閉可能なハードトップを持つモデルです。
電動で開閉できるルーフはガラスになっていましたので、屋根を閉じていても開放的な室内を演出。スタイルはルーフを閉じているときが非常にユニークで、横から見た姿は丸みのあるセダンのようです。
「マイクラC+C」は英国日産で生産された輸入車で、エンジンは国内モデルの「マーチ」には搭載されなかった1.6リッターを搭載し、足回りのセッティングも「マーチ」と異なりスポーティな味付けに。
また、2+2のシートはシートヒーター付きの本革であったり、メーターもホワイトパネルを採用、ほかにもバンパー、グリルのデザインなど「マーチ」とは差別化されていました。
「マイクラC+C」の価格は5MT、4ATとも249万9000円(消費税込)、1500台の限定販売です。