こんなの二度と出ない!? 奇想天外なデザインのクルマ5選
優れたパッケージングの「iQ」とアイデア満載の「エスカルゴ」
●トヨタ「iQ」
スズキ「ツイン」やスマート「フォーツー」はどちらも2シーターですが、同じような車体形状で4シーター化したモデルが2008年発売のトヨタ「iQ」です。
ボディサイズは全長2985mm×全幅1680mm×全高1500mmと軽自動車よりも短く、この中に4つのシートを収めるには、超効率的なパッケージングが必要でした。
具体的には専用設計されたトランスミッションで前輪をエンジンより前に出し、エアコンも専用に小型化。また燃料タンクを床下に格納したり、運転席・助手席シートバックの薄型化などで、4シーターを実現。厳密には、大人3人と子ども1人の3+1が快適に乗れる限界でした。
また、後席の乗員を追突事故時に保護する、世界初のリヤウインドウカーテンシールドエアバッグを全車に装備しています。
ちなみに「iQ」はアストンマーティンにも供給され、外観を大きく変えて「アストンマーティン・シグネット」として販売されました。
●日産「エスカルゴ」
1987年に発売された日産「Be-1」は、いわゆる「パイクカー」と呼ばれた最初のモデルですが、その第2弾として1989年に発売された「パオ」と同時に登場したたのがライトバンの「エスカルゴ」です。
「エスカルゴ」という名はカタツムリを意味しますが、英文では「S-Cargo」と表記され「Cargo=貨物」のスペイン語読み「カルゴ」と「S」を掛け合わせて「エスカルゴ」になっています。
文字通り車体はカタツムリのようなフォルムとなっていて、荷室高1230mmのスペースは実用的で、ルーフはスタンダードのほか開放感のあるキャンバストップも選べました。
また、荷室の外側は面積が広いため、イラストを入れたり、カラフルにペイントできたりと、宣伝スペースになることも想定していたようです。
室内ではインパネのセンターにメーターを配し、その前にはいまのインパネシフトの先駆けであるATのシフトノブが位置します。
また、シフトノブ、ウインカーレバー、ワイパーレバーはデザインが統一され、ハンドルのスポークも独特な形状にデザインされているなど、内も外も遊び心満載のクルマでした。
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今回紹介した5車種以外でも、ユニークなデザインのクルマはほかにもあります。
例えばスズキ「X-90」、スバル「ヴィヴィオ Tトップ」、トヨタ「セラ」、いすゞ「ビークロス」など、デザイナーの遊び心が感じられます。もう、こんなクルマが出てくることはないのでしょうか。
【了】