日中も「存在感」 ロウソク1440本分の光を放つ「デイライト」が普及する理由とは
最近、見かけることの多くなった「デイライト機能」。輸入ブランドは全車標準装備していることもありますが、国産メーカーでも徐々に増えているようです。なぜ、急速に普及したのでしょうか。
日中の視認性を目的とした「デイライト」とは
最近、昼間の走行時でもライトが点灯しているクルマを多く見かけます。これは、「デイタイムランニングランプ(以下:デイライト)」と呼ばれるもので、以前までは禁止されていた機能です。
欧州各国や北米では、すでに日中のヘッドライト点灯が義務化され、ヘッドライトとは別に装着することなど細かく定められています。その後、日本でも装着することは解禁されますが、「デイライト」にはどのような効果があるのでしょうか。
2011年に欧州において、「デイライト」が義務化されたことをきっかけに、メルセデス・ベンツやBMW、アウディといった自動車メーカーが全車に装着したことで、世界的に広まりました。
その後、2016年10月に国土交通省は、『道路運送車両の保安基準』を一部改定。この時の内容に、「デイライト」に関するものが盛り込まれていました。
解禁された「デイライト」の条件は、自動車の前面部に取付けることができる白色のライトとし、眩しすぎないように光度1440cd(ロウソク1440本分)以下、左右対称に取付けることなどが定められています。
これを機に、欧州メーカーの多くが日本でラインナップしているモデルの多くに採用をし始め、日本でも見られる機会が増えました。その後、トヨタ「クラウン」や「C-HR」といった各モデルの上位グレードやホンダの各モデルに標準装備やオプションとして普及し始めているのです。
徐々に普及し始めている「デイライト」は、昼間から常時点灯することで、対向車や歩行者・自転車に対して存在をアピールし、被視認性を向上することで交通安全に役立ちます。
2016年解禁以降のモデルに、「デイライト」を多く装着するトヨタは次のように話します。
――「デイライト」を採用した経緯を教えてください。
元々、「クラウン」では早い段階でオートライト機能を採用しています。当時も安全に対する意識があったことで、日中の明るい段階から点灯するように設定にしていましたが、お客様から『必要ない』というお声を多く頂き、一時期辞めておりました。
その後、改正され「デイライト」というものが普及し始めることから、その後発売したモデルの上位グレードに装着しています。
――欧州メーカーのように全車標準装備となるのでしょうか。
「デイライト」は、予防安全のひとつとして考えています。そのため、傾向としては全車に装備されるとは思いますが、モデルやグレードによっては、オプション品としてお客様の好みで選ばれるモノとなると考えています。
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また、「デイライト」は、イグニッションをONにすると常時点灯(パーキングブレーキをONにすると消灯)する仕組みで、昼夜を問わず自車の被視認性が向上させる目的のため白色に点灯します。また、LEDを採用することで、高輝度・長寿命に加え、低消費電力化でバッテリー負荷低減の効果もあるのです。