トヨタとホンダの飽くなき戦い 今年出る!? 新型コンパクト登場で歴史は繰り返す?

トヨタ「アクア」の登場が2台の戦いに変化をもたらす

 2009年から2011年の間は、2位「フィット」、3位「ヴィッツ」の関係が続きます。ちなみに、この3年間の間のトップは、トヨタ「プリウス」です。ただし、この3年間は何もなかったわけではありません。

 2010年10月に「フィット」にハイブリッドモデルを追加。世間では、エコカー補助金や減税などが実施されており、ハイブリッドに対する注目度が非常に高まっていた時期です。

 この3代目「フィット」は、アイドリングストップ機能を搭載することで、最大26.5㎞/Lの燃費性能を実現。「フィット ハイブリッド」の最大30㎞/Lには届きませんが、通常の「フィット」のガソリン車を上回る数値でした。

 そんな「フィット」側のアクションに対して、2010年12月に「ヴィッツ」はフルモデルチェンジによる新型車攻勢をかけます。

 ハイブリッドや新型車の投入があったものの力が拮抗していたのか、翌2011年の順位は変わりません。そんななか同年12月にトヨタ「アクア」がデビュー。なんと、2台を抜き去り、2012年は1位「プリウス」に次ぐ2位を獲得しました。

 2013年9月に「フィット」がフルモデルチェンジを行い、第3世代に。ガソリン車だけでなく、ハイブリッド車も最初から用意されていたのが特徴です。この新型車投入により、2013年の販売ランキングで「フィット」は3位を獲得。「ヴィッツ」は7位となります。

いまやトヨタを代表するモデルの「アクア」

 前出のトヨタ販売店のスタッフは、「アクア」の登場について次のように話します。

「トヨタブランド内では『プリウス』に続き、コンパクトなハイブリッド専用モデル『アクア』の登場によって、それまでガソリン車より高価なハイブリッド車が、より庶民の車になったと思います。

 また、『ヴィッツ』はネッツ店のみの販売でしたが、『アクア』はすべての販売チャネルで発売をしたこともあり、『ヴィッツ』にかわり『アクア』がトヨタブランドのコンパクトカー代表モデルになったのです」

※ ※ ※

 その後、「ヴィッツ」は2014年4月にマイナーチェンジを実施して新型エンジンを搭載。デザインもよりシャープなものに変更されますが、販売ランキングの順位下降は止まりません。2016年には「フィット」4位、「ヴィッツ」10位となります。

 2017年1月のマイナーチェンジでは、「ヴィッツ」にハイブリッドを追加。これにより2017年の「ヴィッツ」のランキングは8位まで復活しますが、2018年は「ヴィッツ」9位という結果でした。

 トヨタ「ヴィッツ」とホンダ「フィット」の歴史を振り返ってみれば、3世代を経て、抜きつ抜かれつの飽くなき戦いを繰り広げてきたのです。

 しかし、どちらも第3世代とはいえ「ヴィッツ」の現行モデルの登場は2010年、「フィット」は2013年。さすがに2モデル共にモデルライフは末期に差し掛かっています。

 それでも、新車販売ランキングのトップ10に留まることができるのは、さすがの実力といえます。もしも、噂通りに新型モデルが登場すれば、どちらかがランキングのトップを獲得する可能性もあり、第4世代となった新たな戦いが始まるのです。

【了】

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