スーパーカーも顔負け!? 高性能エンジンを搭載したハイパーセダン5選

ヨーロッパのアッパークラス・ミドルクラスセダンは、高性能化が進んでいます。セダンの高性能化はいまに始まったわけでなく、大排気量、高出力なエンジンを搭載したセダンは昔から存在していました。そこで、過去に販売された日欧のセダンのなかから、高性能かつ特別なモデルを5車種ピックアップして紹介します。

日欧のスペシャルな高性能セダン5選

 現在、日本で普通車の売れ筋というとミニバン、コンパクトカー、SUVですが、その影響でセダンのモデル数が減少傾向なのは否めません。

かつて日本最強のセダンだった「スカイラインGT-R 40thアニバーサリー」

 しかし、欧米ではまだまだたくさんのセダンが販売され、よく売れており、ベーシックなものからハイパワーなものまで多数ラインナップされています。とくにアッパークラスとミドルクラスのセダンの高性能化は顕著です。

 セダンの高性能化はいまに始まったわけでなく、大排気量や高出力なエンジンを搭載したセダンは昔から存在していました。

 そこで、過去に販売された日欧のセダンのなかから、高性能かつ特別なモデルを5車種ピックアップして紹介します。

●メルセデス・ベンツ「450SEL 6.9」

メルセデス・ベンツ史上戦後最大排気量の「450SEL 6.9」

 メルセデス・ベンツの高性能モデルというと、メルセデス・AMGが思い浮かびますが、かつては自社でも高性能なセダンを販売していました。

 有名なところだとポルシェと共同開発した「500E」がありますが、もっと前にもっとすごいモデルが存在しています。

 1972年に発売されたメルセデス・ベンツW116型は、今に続くSクラスと名付けられた初代といわれ、このW116型の最上級モデルが1975年に発売された「450SEL 6.9」です。

 車名の通り6.9リッターのV8エンジンを搭載し、3速ATを介して2トンほどある車体を225km/hまで到達させました。最高出力は286馬力と、いまとなってはたいした数字ではありませんが、56kg-mという大トルクを発揮するので、雨の日はアクセルワークにかなり気を使ったといいます。

 先代のW109型(縦目)でも「300SEL 6.3」が存在し、スポーツカーを追い回せるスーパーセダンと呼ばれていました。なお、「450SEL 6.9」の排気量を超えるメルセデス・ベンツは、その後登場していません。

●ランチア「テーマ 8.32」

これぞ羊の皮を被った狼なセダン「テーマ 8.32」

 ランチアは戦前から続くイタリアの老舗自動車メーカーで、数々の高性能モデルを世に出してきました。とくにラリーで活躍した「ストラトス」や「デルタインテグラーレ」はご存知の方も多いはずです。

 そのランチアが1984に発売した「テーマ」は、ジウジアーロによるデザインのオーソドックスなFFミドルクラスセダンです。

「テーマ」発売から2年後の1986年、トリノ自動車ショーで発表された「テーマ 8.32」は衝撃的なモデルでした。なんとエンジンはフェラーリ「308クワトロバルボーレ」のV8DOHCを搭載していたのですから。

「テーマ 8.32」ではこのフェラーリ製エンジンを「308」と同様に横置きに積み、フロントタイヤを駆動。最高出力は215馬力にダウン(ベースは240馬力)されていましたが、最高速度は240km/hを誇りました。

 なお、車名の「8.32」の意味は「8気筒32バルブ」を示しています。日本にも当時の輸入代理店である「ガレーヂ伊太利屋」とマツダの販売チャネル「オートザム」により正規輸入されており、いまでも中古車店に並ぶことがあります。しかし、維持はかなり大変な模様です。

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