ホンダ 新型「インサイト」想定外の脱オッサン化!? セダンでも20代にもウケてる理由

“いいクルマ”で終わらせないように

 新型「インサイト」の開発を担当した本田誠治氏にお話を伺うと、「燃費だけを追求するならいくらでもできるけど、走りやデザインなど、燃費以外の部分を疎かにするのは意味がないと考えて新型「インサイト」を開発しました。

 新型『インサイト』は、苦労して作った甲斐があって”いいクルマ”に仕上がったし、乗った人からもお褒めの言葉をいただいています。

 ただ、いいクルマ過ぎて少しインパクトに欠けるのが痛いところ。ハイブリッドシステムの『i-MMD』というのも、ユーザーには伝わりにくいのではないかと思います。日産の『e-POWER』のように直感的にイメージできるキーワードがあればいいのですが、“いい人”ならぬ“いいクルマ”で終わらないように、新型『インサイト』の良さをしっかりと訴求していかなければならないと思っています」と語ってくれました。

 現在ホンダの売れ筋モデルは、「N-BOX」をはじめとする軽自動車や、「フィット」「フリード」などのコンパクトな乗用車が中心となっています。そんななかホンダのセダンのラインナップは、「レジェンド」「クラリティPHEV」「アコードハイブリッド」「シビックハイブリッド」「グレイス」と豊富な車種を揃え、さらに新型「インサイト」が追加されました。しかし日本市場ではセダンが不人気といわれている現状で、新型「インサイト」も厳しい戦いを強いられるといわざるを得ません。

 そんなセダンに対する逆風が吹いている日本市場において、新型「インサイト」は、発売から約1か月間で約2500台を販売したといいます。月間目標を1000台に設定していたので、目標の2.5倍を達成しました。

 当初のメインターゲットは子離れ世代を想定していましたが、実際には、20代から40代からの若い世代の購入者が全体の4分の1を占めており、しかも30代よりも20代が購入者が多いと最近のセダンカテゴリーとしては珍しい事態となっています。

 セダンはオジサンが乗るものというイメージが強いようですが、ハイブリッド車の先進性を持ちながら、クーペ風のスポーティなデザインなどが新型「インサイト」では、軽自動車やミニバン、SUVに慣れ親しんでいる若者には逆に新鮮に映って受け入れられたようです。

 2018年11月のロサンゼルスオートショーで世界初公開されたマツダ新型「マツダ3(日本名:アクセラ)」の登場も控える中、新型「インサイト」や「マツダ3」がセダンの新たなトレンドをリードして人気復活の火付け役となれるのか、注目が集まります。

【了】

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