マツダ 新型「マツダ3」試乗で驚きの連続! ついにクラス王者VWゴルフ超えも
乗り心地は上級のアテンザをも凌駕する
最初に試乗した欧州仕様のハッチバックモデルは、6速MT仕様で18インチのサマータイヤを装着していました。走り出しですぐに乗り心地の良さと滑らかな感触に驚かされましたが、街中を進むと驚きはさらに増しました。
タイヤが転がってクルマが加速すると、まるで路面をならしたかのような滑らかな乗り心地とともに、路面の上を抵抗感なく進んでいきます。その様は何度もいうようですが、このクラスのベンチマークであるVWゴルフ7を超えていますし、上級のアテンザをも凌駕すると判断できるレベルです。
もしや欧州Dセグメントにも並ぶか…いえ、あれらほど重厚ではなく、もっと軽やかで滑らかな独特の感触があるのです。ムリにタイヤを路面へと押し付けず、路面からの入力をしっかり受け止めてボディを揺らさない。単純に乗り心地がよいと表現するより、実に自然で快適な走りが構築され、走りそのものが実に気持ち良く感じるのです。
なぜこれほど気持ちよく感じるのか、開発陣に聞くと「マツダが謳う独自の人間中心の設計思想が今回、しっかりとマツダ3の設計に反映され、コックピットや室内空間が作り込まれているからでしょう」とのこと。
たとえばドライビングポジションは、「骨盤を立てて座る」というマツダの理想の着座姿勢をサポートできるシートの構造や膝裏のチルト調整機構を備え、まず人をしっかり座らせます。シフトの位置もステアリングから持ち替えがしやすい位置へと移動する、といった具合です。
加えてインテリアは、デザイン的にスッキリと美しいマツダならではの世界観で構築されてますが、それは単なる見た目の美しさだけでなく、運転する際に余分なものを視界に入れないという思想も含めた設計。目の前に広がるインテリアに作り手都合による切り欠きやサービスホールはなく、ワイパーすらもフロントウインドーの下に見えないように格納されています。
こうした空間があるからこそ、運転自体がよりいっそう気持ちよく感じられ、驚くほどの走りの良さを感じるのでしょう。
さらに室内の圧倒的な静粛性の高さにも驚かされました。このクラスならば多少は入ってきても仕方がないロードノイズはほぼ皆無で、エンジン等のノイズも聞こえてきません。今回、新たなスカイアクティブヴィークルアーキテクチャでは、遮音性能を高めるためにボディパネルとマットの間にスペースを設けた二重壁構造もマツダで初採用したといいます。
また騒音の発生源を抑え、それを限りなく小さくし、さらに入ってきた音の変化と方向をコントロールする徹底した対策をとることで、単に静かなだけでなく、質の高い静粛性を実現しています。