雪と戯れられる頼もしい相棒! ボルボ「XC40」はデザイン以上に中身で勝負できるSUV

疲労感の少なさも特筆ポイント

 雪道の安心感もさることながら、「XC40」の疲労感の少なさも特筆すべきものがあると思います。ボルボの安全装備の充実度は今さら語るまでもありませんが、アダブティブ・クルーズ・コントロール(以下:ACC)やパイロットアシストは、長距離ドライブおいてドライバーを大いにサポートしてくれるはずです。

ロングドライブでも疲労感を感じない

 昨今、この手の安全装備は国内外のクルマに装備されるようになりました。その出来の善し悪しは、人間の感覚とどれほど乖離があるかということ。その点で言えば、他社よりも先行しているボルボのシステムは、違和感が少なくよく出来ていると思います。

 もちろん、「えっ、そこで介入する?」と感じたシーンが皆無ではないですが、ACCの加減速やパイロットアシストの操舵のタイミングなどは、僕の感覚に近く怖い思いをすることはありませんでした。

 ちなみに、2リッターターボエンジンのフィーリングですが、動力性能として考えれば申し分はありません。2.5リッターから3リッターのユニットと同等の余裕があり、高速道路を100km/hで走行していると回転数はわずか1500rpm前後。緊急回避的に加速が必要だとしても、低回転から過給するターボが、1.7tの車体を力強く引っ張ってくれます。ただし、個人的にはもう少しシルキーな味付けでもいいなと感じます。

 この「XC40」には、4つのデフォルトのドライブモードが設定されており、各モードによってサスペンションの減衰力が変わります。走行中にコンフォートとハイパフォーマンスを幾度となく切り替えましたが、一般路ではコンフォート、高速道路ではハイパフォーマンスというのが、僕ら取材チームが出した選択の結論でした。

 ちなみに、「XC40」にはオフロードモードもセットされており、ダートなどではよりサスペンションの追従性がアップするようになっています。試しに、荒れた雪の駐車場で使ってみましたが、その程度の路面では差を十分に体感することはかないませんでした。

 さて、「XC40」の価格は389万円から549万円。コアなプライスゾーンは400万円台後半です。なかなかの高級車。エクステリアやインテリアの雰囲気、安全装備の充実度などを考えれば、それだけで満足に値するとは思います。ただ欲を言うならば、エンジンがもう少ししっとりしたフィーリングだと、さらにオーナーの満足度は高まるのではないでしょうか。ただここに関しては、エンジンオイルのチョイスでかなり改善できる部分だと思います。

 クルマを長く、非日常的な条件で試乗すると、さまざまなものが見えてきます。なかには『がっかりした』という場合もなくはありません。

 その点「XC40」は、期待以上でCセグメントのSUVということで、事前には多少侮っていたのですが、そこにはボルボの「本気」が垣間見えました。剛性感は格上の「XC90」や「XC60」にひけを取っていませんし、装備の充実度の点でも、エントリーモデルだからというネガティブさはありません。

生活スタイルに合わせた使い方ができる「XC40」

 もはやエントリーモデルというワードは適切ではなく、生活スタイルに合わせたコンパクトなバリエーション、というのが適当です。

 いずれにせよ長く乗ったことで、日本で、いや世界で評価されている理由が十二分に理解でき、半年待ちと言われても、買いたくなる1台でした。

【了】

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Writer: 山崎友貴

自動車雑誌編集長を経て、フリーの編集者に転向。登山やクライミングなどアウトドアが専らの趣味で、アウトドア雑誌「フィールダー(笠倉出版社刊)」にて現在も連載中。昨今は車中泊にもハマっており、SUVとアウトドアの楽しさを広く伝えている。

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