レクサス“走り”のけん引役へ 新型「RC F」印象ガラリと戦闘的に 大掛かりな変更の狙いとは
レクサス「RC F」がマイナーチェンジを受けて進化し、アメリカ・デトロイトで開催されているデトロイトモーターショー2019で披露されました。スタイリングだけでなく、パワートレイン、タイヤ、サスペンションと変更は多岐に及ぶかなり大掛かりなもの。そこにはどんな背景や狙いがあるのでしょうか。
新型RC Fはレーシングカーのような戦闘的な雰囲気へスイッチ
レクサス「RC F」は現在、レクサスのラインナップにおいてもっとも走行性能が高いモデルです。エンジンは大排気量の自然吸気にこだわり、排気量5リッターのV型8気筒を搭載。477ps(現行モデルの日本仕様)という高出力を誇るハイパフォーマンスクーペで、レクサスの走りのイメージリーダーといっていいでしょう。そんなRC Fがマイナーチェンジを受けて進化し、アメリカ・デトロイトで開催されている北米国際自動車ショー(デトロイトモーターショー)で披露されました。
新型「RC F」の実車を見て感じたのは、「スタイルの印象がかなり変わった」と同時に「レーシーな雰囲気になった」というものです。今回のマイナーチェンジでは、ヘッドライトやフロントバンパーのデザインが新しくなりました。その意匠変更を見ると、従来モデルは“エレガントさ”を求めていたのに対し、新型はレーシングカーのような戦闘的な雰囲気へとスイッチしたことを感じさせます。
フロントバンパー下端部は前へ突き出て、その左右は“カナード”というレーシングカーなどに装着される空力部品の形状を取り入れてダウンフォースを向上。サイドステップ(サイドロッカーモール)の後端をアンダーカット形状にしてリアタイヤ周辺の乱気流を抑制し、またホイールハウスには前後輪ともにダクトを設けてホイールハウス内の空気を逃がすなど、単に見た目を変えるための変更ではなく空力を味方につけるための意匠としていることが理解できます。
これらはどれもレーシングカーからのフィードバックであり、だから、スタイルもレーシングカーに近づいたといえるでしょう。
ちなみに、ホイールハウス内にたまった空気を抜いてその流れを整えることで、流れる空気による干渉が減ってコーナリング姿勢が安定し、ステアリングフィールのリニア感がアップするのだそうです。
ところで、今回のマイナーチェンジのメニューはスタイリングだけでなく、パワートレイン、タイヤ、サスペンションと多岐に及ぶかなり大掛かりなもの。そこにはどんな背景や狙いがあるのでしょうか。