「下町ロケット」で話題になったトランスミッション 走りを滑らかにしている技術とは

多段ATに回帰する動きもあり

マツダが開発した新世代多段AT「SKYACTIV-DRIVE」

 前述の理由により、比較的小型のエンジンでもCVTに代わり、多段ステップATが再び脚光を浴びています。

 ハイブリッド車以外の全車に6速ATを採用し、自社でトランスミッションを開発しているマツダに、トランスミッションについてどのようなこだわりを持っているのかうかがってみました。

──どのような理由で、CVTではなく6速ATを採用しているのでしょうか。

 ATに求められる代表的な性能は、「燃費の良さ」「発進のしやすさ」「ダイレクト感」「なめらかな変速」です。

 弊社の「SKYACTIV-DRIVE(スカイアクティブドライブ)」はステップATをベースにこれら4つの性能を徹底的に追及しています。現在普及しているATは「CVT」「DCT」「ステップAT」の3種類に大きく分けられますが、そのすべてのタイプのトランスミッションの利点を集約した理想のATを目指した結果です。

──「SKYACTIV-DRIVE」の滑らかな変速は、どのような技術が可能にしているのでしょうか。

 ATユニットのみならず、エンジン、結合部品、排気系、車体、制御など、広範囲の連携によって滑らかな変速および、燃費、ダイレクト感、発進のしやすさ、そして信頼性を並立させることを実現しています。

※ ※ ※

 ATの多様化が進み、従来ながらのステップATのほか、CVT、DCT、RMT(ロボタイズドMT=MTをベースに変速とクラッチ操作を自動化したもの)などがあり、それぞれの特徴と利点があります。

 それぞれの利点を生かしながら、トランスミッション以外の技術が向上したことによって、現在のクルマの滑らかな走行を可能としているということです。

 今後、さらなる技術の進歩によっては、いままでにない形式のトランスミッションが現れるかもしれません。

【了】

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