トヨタ史上最強の「マークX GRMN」登場 楽しすぎる乗り味に思わず「こりゃ最高ですね~!」
『楽しい』以外の感想無し
クラッチ踏んで1速に送り込みスタート。コースインして雰囲気をチェックする。なるほどボディ剛性高く、全てがカッチリしてます。ハンドルを切れば素直にロール&曲がり始めるし、アクセルを踏むとこれまたレスポンスよくトルク出す。ブレーキもトヨタが採用している対向ピストン式で最も踏力コントロールしやすい。期待以上ですね。
全体のチェックして「こら行けそう!」だったため、2ラップ目から全開。横滑り防止装置は活かしたままです。するとコーナー進入時の挙動もコーナー立ち上がりでアクセル踏んだときのテールの流れも、イメージしていたより穏やか。フォーミュラーカーのように繊細な新型「スープラ」と対照的で剛胆。ラリー車のような奥行きを持っています。
それならと、横滑り防止装置をオフにして存分に楽しむことにします。コーナー進入は、ブレーキで前輪に適当な荷重を掛けてやると、ややリア荷重が抜けた良い姿勢になる。ここで適度にパワーオンすれば、後輪駆動車乗りにとって見果てぬ夢である『ハンドルをまっすぐにしたまま後輪のスライド使って曲がる』という走りが可能。
それより深く踏むとテールスライド。カウンターステア当てるドリフト状態になります。英語で『テールハッピー』という言葉があるように、テール流して走るのはハッピー。これはもうクルマに限らずスキーでもスノーボードでも自転車でもボートでも同じ。滑りをコントロールしてる時は、脳内にアドレナリンとドーパミン出るそうです。
もはや、仕事で試乗していることをすっかり忘れ、単純に楽しんでしまっている。同じ日に試乗した新型「スープラ」は、仕事だと認識しながら乗れるため試乗ワク一杯までハンドル握ったけれど、「マークX GRMN」については1枠を残して試乗を止めたほど、私の自主規制です。楽しいだけの試乗は、仕事でなく遊びになるので自粛します。
あまりに楽しかったため、サーキット走行を自粛したのは久し振り。後輪駆動車だと、1989年に乗った2リッターターボエンジンを搭載した日産「スカイライン(R32)」の以来、30年振りということになります。
もしかして、200km/h以上の高速コーナーだと若干テール流れ気味になって怖いかもしれないが、少なくとも180km/hまでの速度域だと『楽しい』以外の感想無し。素敵なクルマと言えます。生産台数350台で、価格(消費税込み)は513万円です。
【了】
Writer: 国沢光宏
Yahooで検索すると最初に出てくる自動車評論家。新車レポートから上手な維持管理の方法まで、自動車関連を全てカバー。ベストカー、カートップ、エンジンなど自動車雑誌への寄稿や、ネットメディアを中心に活動をしている。2010年タイ国ラリー選手権シリーズチャンピオン。