日本の小型スポーツカーを牽引 ハチロクでもお馴染みトヨタ「レビン/トレノ」の軌跡

“ニイナナ”の愛称で親しまれた初代「レビン/トレノ」は1972年に販売が開始されました。2000年に生産が終了するまで日本の小型スポーツカー市場を牽引し続けた同モデルの歴史を辿ります。

ファミリーカーをベースに高出力エンジンを搭載した「レビン/トレノ」は日本の小型スポーツカーの代表格

 クルマ好きな人であれば、一度は耳にしたことがある「ハチロク」。このクルマの正式名称は、トヨタ「スプリンター・トレノ」で、車両型式を「AE86型」とするためこの愛称が付きました。

 この「ハチロク」は、「スプリンター・トレノ」シリーズの4代目にあたるクルマです。今回は、初代から7代目まで約28年間さまざまな形で続いたこのモデルの歴史を振り返ります。

漫画「頭文字D」でもお馴染みの4代目「スプリンター・トレノ(AE86)」

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 トヨタは、1970年(昭和45年)12月に初代「セリカ」を発売することで、まだ日本では一部のスポーツカーにしか搭載されていなかったDOHCエンジンを“高性能の象徴”として世間一般に認識させることに成功しました。

 2年後の1972年(昭和47年)3月には小型大衆車だった“カローラクーペ”と“スプリンタークーペ”にもDOHCエンジンを搭載したスポーツグレード「カローラ・レビン/スプリンター・トレノ」を設定(OHVエンジンもラインナップ)し、スポーツカーに対する敷居を下げました。車両型式がTE27型だったため、発売から45年以上経った今でも「ニイナナ」の愛称で親しまれています。

1972年登場の初代「カローラ・レビン1600」

 通常のクーペとの外観上の識別点は、より太いタイヤを収められるオーバーフェンダーが装着されている点ですが、エンジンは上級車種である「セリカ1600GT」と同じ1.6リッターDOHCヘッドを持つ「2T-G型」が搭載されています。

 ハイオクガソリン仕様の場合には最高出力115ps/6,400rpm、レギュラーガソリン仕様では110ps/6,000rpmと高い性能を発揮するエンジンを搭載した同モデルは、約860kgの軽量なボディと相まって、スポーツドライブ愛好家たちからは「スカイラインやセリカより速い」といわれ人気となりました。

 1974年(昭和49年)4月にカローラとスプリンターがモデルチェンジされたことで、レビン/トレノも2代目にフルモデルチェンジ。カローラに2ドアハードトップボディが与えられたことで、カローラ/レビンの型式はTE37型、スプリンター・トレノはクーペボディーのTE47型となりましたが、搭載される2T-G型エンジンが昭和50年排出ガス規制をクリアできずに製造が打ち切られてしまいます。

 また、スプリンター・トレノは後継となるTE61型が同じボディを有しているのに対して、TE51型カローラ・レビンはトレノと共通のクーペボディーに統一。そのため2ドアハードトップボディのTE37型レビンは稀少な存在で、『最後のツインキャブ2T-G搭載車』ということもあり、マニアの間では高値で取引されています。

51年排出ガス規制をクリアした「2T-G」エンジンが待望の復活

 1977年(昭和52年)1月、カローラとスプリンターのマイナーチェンジに併せ、2T-Gエンジンの復活を望む声に応えるべく、EFI(電子制御燃料噴射)と酸化触媒を用いて昭和51年排出ガス規制に適合させた「2T-GEU型」エンジンを搭載して、再びレビン/トレノの販売が開始されました。

 カローラ・レビンはスプリンター・トレノと共通のクーペボディーとなり、両車ともに最高出力110psを発揮。大型バンパーの装備などもあり950kgまで車重が増えてしまいましたが、1.6リッタークラスで当時唯一のDOHCエンジン搭載車だったためにスポーツドライブ愛好者から高い評価を得ています。

1977年登場の2代目「スプリンター・トレノ1600GT」

 1978年4月のマイナーチェンジでは、EFIと三元触媒の組み合わせで2T-GEU型エンジンを昭和53年排出ガス規制にクリアさせ、レビンはTE55型、トレノはTE65型へと発展。外観上ではフロントグリルの形状が若干変わっている程度ですが、最高出力は115ps/6,000rpmまで高められています。

 そして1979年3月、カローラとスプリンターのモデルチェンジに併せて、レビン/トレノも3代目が登場。型式は両車共通のTE71型となり、TE55/TE65型と同じ2T-GEU型エンジンが搭載されました。

 3ドアハッチバックのみのスプリンターとは異なり、カローラのボディは2ドアハードトップ、3ドアハッチバック、3ドアリフトバック、4ドアセダンの4タイプがラインナップされていましたが、レビンの名を冠したのは2T-GEU型エンジンを搭載した3ドアハッチバックのみとなり、ほかの2T-GEU型搭載車は「GT」とされています。
 
 また3代目ではリアサスペンションがリーフスプリングから4リンクコイルスプリング式に進化し、操縦性が大幅に向上。この形式は後継車であるAE86型にも継承されていたことで共通部品も多く、TE71型の改修にはAE86型のパーツを流用することが可能です。

 1981年8月には、エンジンの燃焼室形状を変更し、圧縮比を高めた2T-GEU型が搭載されますが、このパワーユニットは中速トルクが太かったため、最高出力130psを発揮するレビン/トレノの後継モデル「4A-GEU型」エンジン搭載のAE86型をスタートダッシュで置いていくほどの性能を誇っていました。

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