もはやライバル不在!? トヨタ「ハイエース」が日産「キャラバン」に比べ圧倒的に支持される理由
安心の「トヨタ・クオリティ」壊れにくさが信頼の証
クルマの特徴やスペックだけを比べると、「ハイエース/レジアスエース」と「NV350キャラバン」の違いは、それほど多くありません。では、他にどんな理由があるのか?
それは「トヨタ・クオリティ」ではないでしょうか。
トヨタ車の特徴は、とにかく丈夫。故障しない! そんな信頼感こそが人気の根源にあると筆者(鈴木ケンイチ)は考えます。
最近のクルマは非常に故障しにくくなっています。しかし昭和の時代のクルマは、しょっちゅう故障しました。そんな中で「故障しにくい」という評価を最も得たのがトヨタ車でした。その信頼性の高さは、日本国内だけでなく、世界市場でも強く受け入れられました。世界でシェアを伸ばすトヨタの武器は、デザインや動力性能、価格ではなく、「トヨタ・クオリティ」という信頼性だったのです。
トヨタの信頼性の高さは、第三者評価機関であるJ.D.パワーの調査結果からもうかがえます。2015年からスタートした日本国内向けの「自動車耐久品質調査」では、レクサスとトヨタが常に1位を獲得し続けています。2015年の1位がレクサス、2016年もレクサス、2017年がトヨタ、2018年がレクサス。とにかく不具合が少ないのです。
特に「ハイエース/レジアスエース」のような商用車では、「故障しない」ことは強烈な魅力となります。仕事に使うクルマが故障すると、修理費だけでは済まず、売上減というマイナスも生じます。「ハイエース/レジアスエース」の購入者の70~85%ほどは法人です。法人ユーザーであれば、デザインや使い勝手よりも、費用を最重視することは当然のこと。そうした法人にとっては、「故障しない」クルマこそ、無駄な出費を抑える購入すべきクルマに見えるはず。それが「ハイエース/レジアスエース」だったのです。
日産販売店のスタッフに聞いても、「トヨタさんと長いお付き合いの顧客には入り込むのは簡単ではありません」といいます。
つまりは、メーカーの底力でもある品質の差。そこから生まれる信頼感。その信頼感の違いが、「ハイエース/レジアスエース」と「NV350キャラバン」の売れ行きの差の理由になっているのではないでしょうか。
【了】