もはやライバル不在!? トヨタ「ハイエース」が日産「キャラバン」に比べ圧倒的に支持される理由
商用車で絶大な人気を誇るトヨタ「ハイエース」は、ライバルの日産「NV350キャラバン」に比べると3倍も多く販売されています。なぜ「ハイエース」の方が人気があるのか? その理由に迫ります。
商用も乗用もイケる!トヨタ「ハイエース」はなぜ人気!?
商用車としても乗用車としても人気のトヨタ「ハイエース」ですが、日産「NV350キャラバン」とは車格や用途が同じなのに、なぜ「ハイエース」の方が多くのユーザーに支持されているのでしょうか?
身近な働くクルマといえば、その筆頭はトヨタの「ハイエース/レジアスエース」でしょう。ちなみに「ハイエース」はトヨペット店、「レジアスエース」はネッツ店と販売店が違うだけで、基本的な中身は同じという兄弟車です。そして、そんな2台のライバルとなるのが日産の「NV350キャラバン」。初代「ハイエース」が1967年に誕生し、それを追うように1973年に初代「キャラバン」が販売されました。それから現在まで45年以上にわたって「ハイエース」と「キャラバン」はライバルとして歩み続けてきたのです。
ところが、現在のところ、ビジネス面での勝負は圧倒的に「ハイエース/レジアスエース」が勝っています。2018年1~11月の国内販売を調べてみれば、「ハイエース/レジアスエース」の7万3800台(そのうちワゴン8410台)に対して、「NV350キャラバン」は2万8080台(そのうちワゴン1667台)。その差は3倍近くもあり、ある意味それだけ「ハイエース/レジアスエース」の人気が絶大とも言えます。
その人気の高さから、「ハイエース/レジアスエース」には、嬉しくない称号も与えられました。それが「盗難ワースト1」の称号です。なんと、自動車盗難事故実態調査で2007年から2013年まで7年連続のワースト1になってしまったのです。2012年に盗難防止のためのイモビライザーが装備されて少しは被害が減りましたが、それでも2014年以降もワースト3にランクインしたまま。“クルマ泥棒”という嬉しくない人たちにまで人気になってしまっていたのです。
豊富なバリエーションで幅広い用途に対応
では、「ハイエース/レジアスエース」の人気の理由はどこにあるのでしょうか。
まずクルマの特徴として、ものすごくたくさんのバリエーションを揃えることが挙げられます。標準ボディを基本としつつ、車幅の広いバージョンや全長の長いバージョン、屋根も高さの違うバージョンなどが複数用意されています。ドアも、基本の5ドアだけでなく、スライドドアが片側だけの4ドア仕様を用意。さらに、商用のバン、乗用のワゴン、多人数乗車用のコミューターとあり、乗車定員も2人乗りから14人乗りまで。エンジンも2リッターと2.7リッターのガソリン、2.8リッターのディーゼルを揃え、駆動方式も2WDと4WDを用意します。とにかく幅広いビジネスに対応できるようになっているのです。
ただし、これはライバルである日産の「NV350キャラバン」も同じようなもの。逆に「NV350キャラバン」は、「ハイエース/レジアスエース」には存在しないドレスアップ版の「ライダー」シリーズを用意しており、バリエーションの豊富さだけが人気の理由とは言えないでしょう。
もちろんトヨタと日産では、販売力に差があります。トヨタのディーラー網の充実度や力は、日産を上回ります。また、商用車はレンタカー需要も多く、全国約1200という業界ナンバー1の拠点数を誇るトヨタレンタカーの存在も大きいでしょう。ちなみに日産レンタカーの全国拠点数は約360か所。ここで購入されるクルマの数もライバル関係の販売数の違いに大きな影響を与えているはずです。