【噂の真相】教習所で難易度に差がある? は本当か 警察庁に聞いてみた
運転免許を取得する時、通う教習所によって高速道路の教習があったり、なかったり、試験場によってテストの難易度が違うという噂があります。そんなことが本当にあるのか、調べてみました。
教習所による授業やコースの違いがある理由は
自動車に乗るためには、誰もが取得する必要があるのが運転免許(以下、免許)です。免許を取得するには、自分に必要な免許の種類を取得可能な「指定自動車教習所」を調べ、なおかつ家や学校、職場から近い場所に通う方法が一般的です。ほかに「合宿免許」で短期間に免許を取得することもあります。
また、教習所に行かず、直接、試験場で免許を取る(一発試験ともいわれる)ことも可能ですが、練習の環境を考えると難易度が非常に高く一般的ではありません。
教習所を選ぶ際、「〇〇教習所のほうが、試験が簡単だ」といったようなウワサを耳にしたことが方もいるのではないでしょうか。
実際に地域によっては高速教習が実習ではなくシミュレーターになったり、コースの形状による難易度の差があったりするなど、違いは間違いなくあります。
こういった科目やコースなど差異があるということで、場所によってはテストが簡単などとウワサになってしまうこともあり得ます。
そこで、授業の違いや高速教習の有無がどのように決まっているのか、警察庁に聞いてみました。
──指定自動車教習所の教習内容やコースには基準があるのでしょうか
指定自動車教習所の教習内容については、「道路交通法施行規則(昭和35年総理府令第60号)」第33条、「指定自動車道路教習所等の郷愁基準の細目に関する規則(平成10年国家公安委員会規則第13号)」、「指定自動車教習所の教習の標準について(通達)(平成30年6月11日付け警察庁丙運発第42号)」等において、規定されています。
また、設備(コース)については、第32条「指定自動車教習所業務指導の標準について(通達)(平成30年6月11日付け警察庁丙運発第43号)」等により必要事項が規定されています。
──地域によって高速道路教習がシミュレーターの場合がありますが、どういった場合にシミュレーターでの教習になるのでしょうか
普通免許などに係る教習において行なう「高速道路での運転」については、教習の標準通達において、「自動車教習所が高速自動車国道または60キロメートル毎時を超える最高速度が指定されている自動車専用道から離れた地域に位置する場所」の場合は、運転シミュレーターにより行なうこととされています。
──運転免許試験場の試験内容(筆記、実技)について、どのような基準が設けているのでしょうか
技能試験の試験内容については、道路交通法(昭和35年法律第105号。以下「法」と言います。)第97条第2項、府令第24条、「運転免許技能試験実施基準について(平成28年10月3日付け警察庁丙運発第30号)」、「運転免許技能試験に係わる採点基準の運用の基準について(平成28年10月3日付け警察庁丁運発第152号)」等により規定されています。
また、学科試験の試験内容については、法第97法大3項、府令第25報、「学科試験の出題形式、出題範囲および出題基準等について(通達)(平成28年12月12日付け警察庁丁運発第241号)」等により、必要事項が規定されています。
──うわさレベルではありますが、どこかの地域の試験は他の地域と比べて、難易度が高いなどといわれているようです。規定上、そういった差が出ることはあり得るのでしょうか
運転免許試験については、上記において回答させていただいた全国斉一の基準に基づき、各都道府県において適切に実施されているものと承知しています。
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指定自動車教習所は、全国一律で警察庁の局長通達をもとに、各都道府県の公安委員会により管理されます。規定から外れるようなことがあった場合、公安委員会により確認され、是正処置がとられるカタチをとっています。
もし教習所によって難易度の差異があるとすれば都道府県単位になりますが、同じ基準を元に施行されていますので、あったとしても、それは通達の範囲内ということになります。
また、コースの形状に関しては一般的に教習所ごとに異なります。指定教習所で取得することができる免許の種類によって広さも異なるため、違いがあることはあり得ますが、いずれの教習所も規定どおりの設備を持っており、難易度に影響はなさそうです。
【了】