自転車を「さらっと追い越し」が“違反”に? 今までの「なんとなく追い越し」がもう通用しない! 26年4月の道交法改正で「自転車追い越し新ルール」登場 どう変わるのか

2024年に5月成立した改正道路交通法により、2026年4月1日からドライバーには自転車を追い越す際の「安全な間隔の保持」と、それが困難な場合の「安全な速度(徐行)」が明確に義務付けられます。これまで曖昧だった自転車との距離感に、事実上の数値目標と罰則が加わることで、日常の運転は大きな変化を迫られます。法改正の核心となる第18条第3項の新設内容と、ドライバーが知っておくべき「安全な距離」の目安について解説します。

追い越せないなら「徐行」が絶対! 新たな“罰則”に要注意

 クルマを運転中、車道の左端を走る自転車を追い越す際、皆さんはどれくらいの距離を空けていますか。「なんとなく、ぶつからない程度に」という感覚で走っている方も多いかもしれません。しかし、そんなこれまでの「当たり前」が、2026年4月1日を境に通用しなくなります。

 これまでも、道路交通法(第18条第2項)では自転車を追い越す際に「安全な速度と間隔」を保つよう定めていました。しかし、「安全」の定義が曖昧だったため、実際には自転車のすぐ横を猛スピードで通り過ぎるクルマも少なくありませんでした。

 この状況にメスを入れるべく、新たに「第18条第3項」が追加されます。そこには、自転車との間に十分な間隔が取れない場合は、間隔に応じた「安全な速度(徐行)」で走らなければならないと明記されました。つまり、今後は「狭い道で強引に抜く」こと自体が、明確な法令違反となるのです。

 法律の条文に具体的な数字は書かれていませんが、警察庁の有識者検討会の報告書(令和6年1月)では、欧州の事例を参考に「1mから1.5m」という数値が目安として示されています。

 大きな理由は「風圧」と「ふらつき」です。JAFなどの実験データによれば、普通車が時速40km以上で至近距離を通り過ぎると、自転車側には強い引き込み風が発生し、ハンドルを取られて転倒するリスクがあることが分かっています。

 また、自転車側も路面の石ころや排水溝の蓋を避けるために、急に右側へハンドルを切ることがあります。その「予期せぬ動き」をカバーするためのバッファが、この1mという距離なのです。

「自転車追い越し新ルール」2026年4月からスタート!(画像はイメージ、heisj/PIXTA)
「自転車追い越し新ルール」2026年4月からスタート!(画像はイメージ、heisj/PIXTA)

●無視すると「青切符」の対象に! 普通車なら反則金7000円、点数2点

 今回の改正で最も注目すべきは、このルールに違反した場合のペナルティが具体的に設定されたことです。

 自治体や警察が公開している改正情報によると、自転車との間に十分な間隔を確保せず、かつ安全な速度(徐行)も行わずに通過した場合、ドライバーには厳しい罰則が待っています。普通車であれば反則金7000円、違反点数2点が科されることになります。

 また、反則金を納めない場合などの罰則(刑事罰)として「3月以下の拘禁刑又は5万円以下の罰金」も定められており、これまでとは一線を画す厳格な運用となります。

 なお、今回の改正では自転車側にも「十分な間隔が取れない状況でクルマが右側を通過するときは、できる限り道路の左側端に寄って通行しなければならない」という義務が課され、違反した自転車側にも5000円の反則金が設定されます。双方に義務を課すことで、接触事故を徹底的に防ぐ狙いがあります。

●安全のために大切なのは“心の余裕”と“忍耐力”!

 このルールが施行されると、多くのドライバーが「これ、一生抜けないんじゃ…」という状況に直面するはずです。

 例えば、ガードレールがあるような狭い片側1車線の道路。ここで1mの間隔を確保しようとすると、クルマは間違いなく対向車線にはみ出します。もし対向車が途切れなければ、ドライバーは自転車の後ろを同じ速度で走り続けるしかありません。

 無理に車間を詰めたり、間隔を空けずに加速して抜いたりすれば、前述の通り7000円の反則金と点数2点が待っています。「急いでいるから」という理由は、警察には通用しません。

 2026年からは、自転車の信号無視や逆走にも「青切符」が切られるようになります。「自転車もしっかりルールを守ってほしい」というドライバーの切実な声が、ようやく形になったとも言えるでしょう。

 しかし一方で、クルマ側に「これまで以上に慎重な運転」が求められるのもまた事実です。

 前方に自転車を見つけたとき、「今、十分な距離を空けて抜けるかな? ダメなら後ろからゆっくり行こう」と、一呼吸置けるかどうか。この「無理に抜かない忍耐力」が、両者の安全とあなたの大切なゴールド免許を守るカギになります。

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Writer: くるまのニュース編集部

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