短命には理由がある? フルモデルチェンジなく1代で消えたクルマ5選

クルマには非常に長い歴史を持つモデルがあります。一方で短命で終わったモデルもあります。今回、数ある車種のなかから、フルモデルチェンジすることなく1代かぎりで消えてしまった5車種をピックアップして紹介します。

フルモデルチェンジすることなく 1代かぎりで消えてしまったクルマたち

 国産車で歴史の長いクルマというと「クラウン」「カローラ」「ジムニー」などが思い浮かびます。「クラウン」は現行型で15代目、「カローラ」は「カローラ アクシオ」で11代目、現行「ジムニー」は4代目ですが48年のロングセラーです。

1代限りで消えてしまったクルマ5選 画像はホンダ「エレメント」

 ほかにも歴史の長いクルマがありますが、その一方で初代が発売され、フルモデルチェンジすることなく販売を終えていったクルマもあります。

 そんな、1代かぎりで消えてしまった悲しい国産車を5車種ピックアップして紹介します。

●日産「ラシーン」

トヨタに先立って「ドラえもん」を起用したCMが話題となった「ラシーン」

 日産「ラシーン」は1993年の「東京モーターショー」に出展され、翌1994年に発売されたコンパクトRVです。いまならクロスオーバー・タイプのSUVと言ったところでしょう。

「ラシーン」は、全車4WDで本格的なオフロード車の雰囲気がありつつも、低い車高というアンバランスさが逆に好意的に受け取られ、発売開始からヒットし、2000年の販売終了までに7万台以上ものセールスを記録しています。

 5ナンバー枠に収まる手頃な大きさと、ワゴンタイプのボディで、普段使いやレジャーなどでちょうどよい実用性もありました。

 エンジンは当初1.5リッター直4の「GA15DE型」を搭載していましたが、1997年マイナーチェンジで、1.8リッター「SR18DE型」に変更。また1998年にはスポーティグレードの「ラシーンフォルザ」が追加され、最高出力145PSの2リッターエンジン「SR20DE型」が搭載されました。

 そして、フルモデルチェンジすることなく6年間で、その歴史を閉じます。ちなみにネーミングは「羅針盤」に由来する造語で、CMキャラクターには「ドラえもん」が起用されました。

 なお、生産終了して18年経ったいまも人気があり、「ラシーン」の中古車専門店もあります。

●トヨタ「プログレ」

「小さな高級車」を具現化した「プログレ」

 5ナンバー枠ギリギリに収まる小さな高級車として、1998年に発売されたトヨタ「プログレ」は、BMW3シリーズやメルセデス・ベンツCクラスのライバルに位置づけられるクルマです。

 駆動方式もライバル同様にフロントエンジン・リアドライブのFRとし、エンジンは滑らかさにこだわった直列6気筒エンジンを採用しています。なお、排気量は2.5リッターと3リッターの2本立てで、車格に対して余力のあるエンジンとなっていました。

 比較的地味めな外観ですが、内装は本木目のパネル類や本革シートを装備するなど、高級車としての風格があります。

 輸入車よりもトヨタ車、「カローラより上がいいけどクラウンでは大きすぎる」というニッチな市場を狙ったうえ、価格は約340万円から450万円と高額で、販売は低迷しました。

 2001年にマイナーチェンジして、その後も改良を加えながら延命したものの、フルモデルチェンジすることなく2007年に販売が終了。後継車としてはレクサス「IS」が妥当なところです。

 中古車市場では台数は少ないですが、概ね60万円台以下で売られており、かつ年配のオーナーが多かったので程度も比較的良好なようです。ちなみに「アルテッツァ」とシャシを共有していたので、パーツの流用も可能だったとか。

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