普通車人気はHV車、軽自動車は背高ノッポ… 現代の自動車購入の決定打とは
現在、売れているモデルとして「ハイブリッド」と「軽ハイトワゴン」が挙げられます。多くの新型車が登場するなかで、なぜここまで売れているのでしょうか。
日本では人気高い「ハイブリッド(HV)」。なぜ売れるのか?
近年の新車販売における人気ジャンルは、普通車であれば「ハイブリッド車(HV車)」、軽自動車であれば「ハイトワゴン(トールワゴン)」の2つが挙げられます。
2017年度の国内販売統計によると、トヨタは販売総数の約40%、ホンダは約28%(ただし小型/普通車に限ると約50%)をハイブリッド車が占めています。また、軽自動車では、各メーカーの売れ筋車種として、ホンダ「N-BOX」、スズキ「スペーシア」、ダイハツ「タント」、日産「デイズ」など背の高いモデルが人気です。
なぜ、日本ではハイブリッド車やハイトワゴン車が人気となるのでしょうか。
国内で、販売されているハイブリッド車は、街中でよく見かけるトヨタ「プリウス」や日産「ノート e-POWER」から高級セダンのトヨタ「センチュリー」など幅広く存在。
ハイブリッド車は、環境や燃費性能が優れ、日々かかる燃料費を考えると少しでも燃費が良いクルマに人気が集まる理由がわかります。しかし、ハイブリッド車そのものの価格が高く、ガソリン(ディーゼル)エンジンとの価格差を燃料費だけで埋めるには、走行距離を稼ぐ必要があります。
初期費用と日々の燃料費の問題があるにもかかわらず、日本でハイブリッド車が人気な理由について、「ノート」や「セレナ」をラインナップする日産の販売店スタッフは次のように話します。
――なぜ、ハイブリッド車は人気があるのでしょうか。
新たにハイブリッドを購入するお客様は、さまざまなメディアで取り上げる『環境問題』やハイブリッド車を代表する『エコカー』の良いイメージを受けて“ハイブリッドに乗ってみたい”と要望される人やファミリー層では“日々かかるお金をいかに節約できるか”という部分を気にされる人などが多くいらっしゃいます。
日産では、ハイブリッドと呼ばずに「e-POWER車」と呼んでいます。この「e-POWER」を搭載する車種として、「ノート e-POWER」や「セレナ e-POWER」をラインナップしていますが、「ノート e-POWER」であれば200万円以下のモデルも存在しますので、価格面でも以前のハイブリッド車に比べ購入しやすくなっている点も人気の理由と言えます。
また、「e-POWER」という名称自体がひとつのブランド化しているのも大きいです。『エコなクルマ=e-POWER』というブランドイメージも新規のお客様にはあるようです。
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日本国内では、新型車が出るとほとんどのモデルで、「ハイブリッド」の設定がされています。一方で、海外では日本に比べて、ハイブリッド車の人気が高くありません。世の中的な動きとして、電気自動車(EV)には注目されていますが、ハイブリッド車はそれほど販売台数を伸ばしていません。
主な理由として、欧州や欧米などでは、移動距離が長く多くの場面で高速道路を使うのが一般的です。そのため、ハイブリッド車の良い部分とされる低速域(モーター駆動範囲)を使うことも少なく、エンジン駆動がメインとなります。そのため、ハイブリッドの恩恵を受けることがあまり無く、初期費用の高いハイブリッド車の人気があまりないのです。