「あ、危ない!」雪道ですべったら砂箱の出番? 安全に通行する方法とは
雪道を通る際に、気を付けていても「すべる」ことがあります。そんなときに使いたいのが「砂箱」です。実際にはどのようなタイミングで使えば良いのでしょうか。
積雪地で見かける「砂箱」とは
冬場の降雪が多い地域では、歩行者や運転者が積雪や凍結によるすべりを防止するために「砂箱」や「融雪剤」、「凍結防止剤」が設置されています。
そのなかでも、砂箱は、街中や郊外などさまざまな場所にあり、基本的に郊外の道路では常設、市街地では雪の降るタイミングを見つつ設置され、砂箱の中身は細かな砂利です。
すべり止め用の「砂箱」以外にも「融雪剤」や「凍結防止剤」を設置している自治体も存在。融雪剤とは、基本的に塩化カルシウムを用いたもので、凝固点を-50度程度まで引き下げることができます。極寒の地でも一度に多くの雪を解かすことができるほか、即効性があるため、雪が積もった道に撒くのに適しています。
凍結防止剤は、塩化ナトリウムを使い凝固点を-20度程度まで下げ、効果の持続力を長く保つことができます。そのため、降雪に備えて降る前に撒いておくことできるのが特徴です。
国土交通省によると、「道路を管理する各機関は、安全で円滑な冬期の道路交通を確保するため、路面の凍結抑制または除雪の効果を高める目的で、凍結防止剤や融雪剤の散布を実施。国が管理している道路については、基本的に塩化ナトリウムに基準を設けて散布しています」と説明しています。
実際に「砂箱」はどのように使えば良いのでしょうか。中身や使い方について、札幌市建設局雪対策室事業課は、次のように話します。
――「砂箱」の中身や使い方について教えてください。
砂の中身は、7号砕石というものを使用しています。細かな砂利ですべり止めに効果を発揮します。使うタイミングは、路面がすべりやすくなっているときに、いつでもだれでも使っていただけます。使い方は、砂箱からすべり止め材の袋を取りだして、車道や歩道、横断歩道(ゼブラ)などに直接撒きます。
例年、雪の降るタイミングが早くなっていますが、2018年は11月15日までに「砂箱」の設置を完了する予定で、定期的に補充しています。
――融雪剤や凍結防止剤とはどのように使い分けているのでしょうか。
融雪剤などは、雪や氷を溶かすために用いられます。札幌市では、除雪機の作業後に路面が凍らないように使用することがあります。
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実際にクルマを運転していると、「砂箱」や「融雪剤」などがない場所でスリップする可能性も少なくありません。そのような場合は、ペットボトルなどに砂利を入れて装備しておくことで対策することができます。
降雪地や寒冷地に住む人には当たり前の光景ですが、レジャーや観光などにお出かけする際には覚えておきたい知識のひとつです。
【了】