ホンダの「2列6人乗りミニバン」が凄い! 全長4.3m級の「ちょうどイイサイズ」×斬新「V字」配置シート採用!? 少子化時代の「理想的ファミリーカー」ホンダ「エディックス」とは
3人家族のファミリーにとって、3列シートの「ミニバン」はちょっと持て余し気味かもしれません。そんな家族にピッタリな「6人乗り」モデルがありました。少子化時代にこそ欲しい、ホンダの「理想形」ミニバンについて紹介します。
仲良しファミリーの理想形! 復活を期待したい「エディックス」とは
ファミリーカーの定番といえば3列シートの「ミニバン」ですが、たとえば3人家族ならそんなに大きいクルマである必要はなく、いっそ「前に3人並んで座れたらイイのに」と思ったことはありませんか。
実はそんな楽しい6人乗りミニバンがかつてホンダから販売されていたのです。どのようなクルマなのでしょうか。

2004年にホンダから登場した「エディックス」は、前列3席、後席3席の計6座を備えるミニバンでした。
6座それぞれが独立シートで、なかでも前後席ともセンターシートは左右席よりも10mm後方にずれて配置され、前席センターが270mm、後席センターが170mm、それぞれ前後スライドが可能となっています。
単なる横並びではなく、V字型のレイアウトにしたところがホンダらしいアイディアでした。
左右席の乗員との距離を確保して圧迫感を解消していたほか、ハンドル操作時も肘がぶつからないようにするという工夫が織り込まれていたのです。
そして前席3人掛けシートの最大のメリットは、3人乗車の際に一列に並んでドライブできることでしょう。
特に小さなお子さんのいる家庭では、会話やお世話がしやすく、実際エディックスを購入したユーザーからは、直ぐに手が届く範囲に子供を座らせることができるので「後席に座らせておくよりも安心できた」といった声が多かったようです。
ホンダも当時、中央席に固定するチャイルドシートをアクセサリーとして販売していました。
他にも、運転席のすぐ横にシートがあるため荷物の置き場所として便利であったり、助手席側から運転席側への横移動も簡単、というメリットもありました。
しかし特徴的なシート配置であるため、一般的なクルマとの違いに戸惑うユーザーも少なくなかったようです。
特にセンターシートは乗降口から遠く、チャイルドシートに子供を座らせるのが大変でした。
また、一般的なミニバンで可能な前席と2列目シート間のウォークスルーができないことや、横方向が狭い(特に足元)など、ネガティブな面が指摘されることも少なくなかったようです。
こうしたネガティブな面に加えて、3列・6/7人乗りで商品力の高いミニバンが数多く登場したことなどから、エディックスは発売からたった5年の2009年に販売終了に。
エディックスは、全長は4285mmと比較的コンパクトながら全幅が1795mmと、ミドルクラスミニバンでは5ナンバーサイズが主流だった当時としては、幅が広かったのもネックだったかもしれません。
前席3人乗り車としては、エディックスのほかにも、1998年に日産「ティーノ」が、2003年(日本)にはフィアット2代目「ムルティプラ」が登場していましたが、日産「ティーノ」は2006年に、フィアット「ムルティプラ」は2010年(日本)に、それぞれ販売終了となっており、以降前席3人掛けの乗用車は登場していません。
コンパクトカーや軽自動車では、前席がベンチシートタイプとなっているクルマもありますが、必ず2人掛けです。
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絶滅してしまった前席3人乗り車ですが、「家族で横一列に並んで座る」というコンセプト自体は素晴らしいものでした。
例えばEV(電気自動車)ならば、エンジンやトランスミッションが置かれる空間がなくなり、真ん中席の足元がフラットで広くなるでしょう。
EV時代になれば、再び前席3人乗りミニバンが復活する可能性は十分にあるかもしれません。
そうした新しいアイディアや技術革新によって、エディックスのようなモデルが復活することを期待しています。
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