タイヤサイズに「ミリ」と「インチ」が使われる理由 昔はクルマも単位が混在していた?
クルマのスペック表を見ると、車体の寸法は「ミリメートル」もしくは「メートル」で記されていますが、タイヤサイズは「ミリメートル」と「インチ」が混在しています。なぜタイヤサイズは「ミリメートル」と「インチ」で表記されているのでしょうか。
タイヤサイズは「ミリメートル」と「インチ」が混在
クルマのカタログやWebサイトでスペック表を見ると、クルマの寸法はすべて「ミリメートル」もしくは「メートル」で記されています。たとえば全長なら「3950mm」、最小回転半径なら「5.3m」などと表記してあります。これは、「計量法」という法律で日本では「メートル法」を使いなさいと定められているからです。クルマ以外でも身の回りのものは、ほとんどのものがメートル単位で作られています。
ところが、クルマのスペック表を見てみると、ミリメートルとインチが混在しているものがあります。それはタイヤサイズです。なぜタイヤサイズは「ミリメートル」と「インチ」で表記されているのでしょうか。
タイヤサイズを見ているともうひとつの疑問が…
あらためてタイヤサイズを見てみましょう。
185/55R 16
これがタイヤのサイズを表しています。最初の「185」はタイヤの幅を示していて「185mm」となります。ただし正確に「185mm」ではなく、タイヤの種類によって数ミリの差があります。
次の「55」は扁平率と呼ばれているものです。扁平率はタイヤの幅に対して、タイヤの横の部分がどのくらいの高さになるかを示しています。
このタイヤの場合は幅が185mmで、その55%が横の部分の高さになり、計算すると約102mmになります。つまり、扁平率が大きいと横から見たタイヤの厚みは増え、小さいと薄くなります。スポーツカーなどに装着されるタイヤの扁平率は「40」とか「35」という数字で、タイヤも総じて薄くなります。
扁平率の隣の「R」は「ラジアル構造」のタイヤであるという意味で、サイズとは関係ありません。ラジアル構造のタイヤは、タイヤの中に入っている「カーカス」と呼ばれるワイヤー状のものが、進行方向に対して直角に配置しているものです。タイヤを横から見ると、ワイヤーが放射状に配置されていると思っていただくと、イメージしやすいでしょう。いまの乗用車用タイヤは、ほぼすべてがラジアルタイヤです。
最後の「16」はタイヤの内径(ホイールの直径)で、インチ表記になります。1インチは約25.4mmですので、16インチは約406mmになります。しかし、表示はあくまでもインチです。
さらに、ここでもうひとつ疑問があります。タイヤの幅は「185」→「195」→「205」と10mm刻みですが、なぜ末尾が「5」なのでしょう。「180」→「190」→「200」でもいいように思えますが、謎は深まるばかりです。