トヨタ 新型「プリウス」12月にも発売 ついに不評の外観デザインテコ入れ 好評のPHV顔へ大幅変更へ

安全面はさらに充実も価格はそれほど上がらず

 機能的な改良では、緊急自動ブレーキを作動できる安全装備が挙げられます。現在装着されているトヨタセーフティセンスも歩行者の検知を可能にしていますが、改良後は自転車も検知できるようになります。歩行者については、昼間に加えて夜間にも対応するので、安全性がいっそう高まります。

さまざまな指摘を少しずつ変更してきたプリウス、大幅にテコ入れを行う

 後方に向けた安全装備は、従来から設定のあったドライバーから見えない並走車両を知らせるブラインドスポットモニターに加えて、リアクロストラフィックアラートも加わります。駐車場などで後退しながら出庫する時、側方から接近してくる車両を検知してドライバーに知らせる機能です。

 そしてトヨタが力を入れるコネクティッドとして、DCM(専用通信機)とアンテナが全車に標準装着されます。エアバッグが作動するような交通事故が生じた時、自動的にオペレーターが対応して救急車を手配することも可能なので、コネクティッドは安全装備としても機能します。

 さまざまな充実を図りながら、価格はあまり高まらないと思われます。プリウスは大量に売る必要のある車種になるからです。安全装備が充実する分だけ、買い得度が強まるでしょう。

 なおマイナーチェンジされた改良型の発売は、2018年12月17日が予定されているそうですが販売店によると「予約受注を2018年11月20日頃から開始すると思います」とのことです。

「デザインがダメ」と言われてもそれなりに売れてきたプリウスは、好評だったPHVデザインに変更した新型が12月に発売された時には、受注台数が溜まって納期が2019年2月頃に伸びている可能性があります。早く納車して欲しい場合は、販売店にあらかじめ問い合わせを行い、予約受注が開始された段階で契約するのがよいと思います。

 日産ノートは「e-POWER」という新しいハイブリッドシステムを追加したことで、販売台数が爆発的に伸びました。「サイズが大きくなった」「価格が高くなったから」という声もあり、以前に比べ不人気になったプリウスが一番の酷評だったデザインへ大幅に手を入れたことで、「プリウスブランド」復活となるのか注目されます。

【了】

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Writer: 渡辺陽一郎

1961年生まれ。自動車月刊誌の編集長を約10年務めた後、2001年にフリーランスのカーライフ・ジャーナリストに転向。「読者の皆さまに怪我を負わせない、損をさせないこと」が最も重要なテーマと考え、クルマを使う人達の視点から、問題提起のある執筆を得意とする。

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