ヤマハ念願の「本格“2人乗り”スポーツカー」! 車重わずか“750kg”の「超軽量マシン」は“豪華内装”もスゴイ!「バイク&楽器」の魅力を取り入れた“美しすぎる”ライトウェイト「スポーツライド」とは!
二輪車の世界的メーカーであるヤマハが「もし我々が本気で四輪スポーツカーを創ったらどうなるか」というテーマで開発した「スポーツライドコンセプト」とは、一体どのようなモデルだったのでしょうか。
ヤマハ念願の「本格“2人乗り”スポーツカー」!
2026年も3月後半を迎え、春の暖かな日差しとともにドライブシーズンが本格化する中、「もしあのクルマが市販されていたら」と思い馳せたくなる名車があります。
その代表的な一台こそが、二輪車の世界的メーカーであるヤマハが「もし我々が本気で四輪スポーツカーを創ったらどうなるか」というテーマを具現化し、今なお色褪せない圧倒的な魅力を放つ「スポーツライドコンセプト(以下、SRC)」でしょう。

かつて1990年代初頭にF1由来のV型12気筒エンジンを搭載した「OX99-11」の市販化を目指しながらも、経済状況の悪化によって夢破れたという過去を持つヤマハ。
それから約20年の時を経て再び挑んだ四輪参入プロジェクトの第2弾が、2015年の「東京モーターショー」で世界初公開されたSRCでした。
開発パートナーには伝説のスーパーカー「マクラーレンF1」の設計で名を馳せたゴードン・マレー氏を招き、彼が提唱する革新的な車体構造「iStream Carbon(アイストリーム・カーボン)」を採用したことが最大のトピックです。
鋼管フレームにカーボンファイバー複合パネルを接着して基本骨格を形成するこの技術により、全長3900mm×全幅1720mm×全高1170mmという極めてコンパクトかつワイド&ローな正統派プロポーションを実現。
車両重量は、当時の軽自動車を下回るわずか750kgという驚異的な軽さを達成しました。
駆動方式は後輪駆動で、エンジンは運転席の後方に配置されるという、走る楽しさを純粋に追求したパッケージングでした。
そんなSRCのスタイリングには、ヤマハ独自の「エレメンタリズム」というデザイン哲学が貫かれています。
一つ一つの独立したパーツが機能美を持ちつつ、全体として見事に調和するという考えのもと、オートバイのタンクとカウルが融合したような躍動感あるシルエットを形成。
同社のスーパースポーツバイク「YZF-R1」を彷彿とさせるLEDヘッドライトやセンター出しマフラーなど、随所にヤマハらしいエッセンスが散りばめられているのも魅了です。
さらにインテリアは、機能性と工芸品レベルの芸術性が融合した見事な空間を実現しました。
上質なレザーに加え、シート後方のトップケースにはヤマハの楽器製造部門が手掛けた「カーリーメイプル」のウッドパネルを採用。
高級ギターと同じサンバースト塗装を施してスピーカーを内蔵するという、同じルーツを持つブランドならではの粋な遊び心が込められ、日本カーデザイン大賞のコンセプトカー部門賞にも輝いています。
その完成度の高さから、SRCの市販化への期待は最高潮に達しましたが、なんと2018年にヤマハは四輪車事業への参入凍結を余儀なくされます。
特殊なカーボン構造を品質を保ったまま大量生産する技術的なハードルの高さと、競争の激しいスポーツカー市場で莫大な投資を回収するだけの採算性を見込むのが困難であるという、苦渋の経営判断が下されたためでした。
こうしてヤマハの四輪スポーツカーは幻となりましたが、その情熱と技術は決して無駄にはなっていません。
ここで培われた超軽量化の思想と技術は進化を続け、後にゴードン・マレー氏が自ら立ち上げたブランドで開発したスーパーカー「T.50」や「T.33」の礎となっています。
二輪メーカーが本気で挑んだ750kgの美しきスポーツカーの姿は、これからもクルマ好きの記憶の中で輝き続けることでしょう。
Writer: くるまのニュース編集部
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