初代から新型「デリカD:5」まで 唯一無二のミニバン、三菱「デリカ」50年の軌跡を振り返る
三菱が発売した初代「デリカ」から50年。新型「デリカD:5」が発表されて、また新たな歴史が刻まれました。そこで、歴代「デリカ」を振り返ってみたいと思います。
社会を支える小型トラックから始まった初代「デリカ」
三菱が発売した初代「デリカ」から50年。新型「デリカD:5」が発表されて、また新たな歴史が刻まれました。そこで、歴代「デリカ」を振り返ってみたいと思います。
いまからちょうど50年前の1968年(昭和43年)、三菱自動車が分社される前の三菱重工業は小型のトラックとして初代「デリカ」の販売を開始しました。
昭和40年代は、個人事業主の家庭などではバンやトラックを乗用車代わりに使うことが多く、まずは3人乗りで600kg積トラックの「デリカ」が発売されました。
需要の高かったトラックを発売した後、1969年4月にトラックをベースにした1BOXタイプの乗用モデル「デリカコーチ」の販売が開始されました。
「デリカコーチ」は9人乗りのワゴンタイプで、発売当時は58馬力を発揮する1.1リッターガソリンエンジンを搭載し、クラス最強を誇るものでした。1971年10月に「コルトギャラン」系と同じ1.4リッターガソリンエンジンも投入され、より余裕のある走りが可能になりました。
しかし、当時、乗用車はセダン全盛の時代とあって、個人用として使われることは少なく、主に送迎用として活躍したといいます。
1BOXタイプの4WDとしての地位を築いた2代目「デリカ」
1979年6月に「デリカ」は全幅を4/5ナンバー枠いっぱいまで拡大してフルモデルチェンジを行ないました。バンとトラックには1.4リッターエンジンを搭載し、1.6リッターガソリンエンジンを搭載したワゴンには「デリカスターワゴン」の名称が与えられました。
さらに1982年10月には4WDモデルを追加し、本格的な4WDとしていまに続く「デリカ」の歴史がはじまりました。「パジェロ」と同じ4WDシステムを採用し、1.8リッターガソリンエンジンを搭載。サスペンションも初代「パジェロ」と同じ、フロントにダブルウィッシュボーン式トーションバー、リヤにリジッド式リーフスプリングを採用し、走破性と乗り心地の向上をはかりました。
1983年11月には4WDモデルに2リッターエンジンが搭載され、さらに1984年2月にはターボチャージャーを装着した2.3リッターディーゼルエンジン車も追加。ラインナップを拡大した「デリカ」は唯一の1BOXタイプRVとしての地位を築きました。