どこまで伸びる新東名? 日本の大動脈「東名」を支える経済効果とは
高速道路のなかで交通網の要と言えるのが「東名・新東名」です。新東名が2012年に一部開通するまでは、年々増加する東名の渋滞や災害時の通行止めなど、度々問題になっていました。では、「新東名」の開通によってどう変わり、この先の完成はどうなるのでしょうか。
日本の大動脈「東名と新東名」
日本中を駆け巡る道路網のなかで、交通の要と言えるのが「東名高速道路(以下:東名)」です。東名は、1969年(昭和44年)の5月に大井松田(神奈川県)から御殿場(静岡県)の間が繋がったことにより全線開通となりました。
それから43年後の2012年4月に、「新東名高速道路(以下:新東名)」の御殿場(静岡県)から三ヶ日JCT(静岡県)の約162kmが開通。過去に開通した日本の高速道路のうち、1度の開通距離がもっとも長い区間となり、2016年に愛知県区間(浜松いなさから豊田東)約55km、2018年1月に海老名南から厚木南間が開通するなど、現在も建設が進められています。
日本のアウトバーンとも称される新東名。設計時の最高速度は140km/hとも言われ、新静岡から森掛川区間では最高速度制限を110km/hに引き上げる試験を実施。また、関東と中部・関西を繋ぐライフラインとして、新東名開通後(約5年間)では約1億4千万台というユーザーに利用され、東名・新東名を合わせると東海道新幹線よりも利用客数が多くなっています。
新東名開通前の東名は、各所で渋滞が多発しており、渋滞における損失時間は176時間というデータが出ていました。しかし、2016年の新東名(愛知区間)開通後は、約9割(損失時間20時間)減少し、新東名による物流効率が向上。所要時間も御殿場から豊田については、約22分短縮という結果です。
東名と新東名の2大路線になったことで、事故による通行止めや大規模災害時の輸送量増加、ドクターヘリの緊急離着陸など、災害対応から地域医療など幅広い分野で貢献しています。
さらに、新東名では多様なニーズに対応するため、広いフードコートや長距離ドライバー向け施設の充実、ドッグランの標準配置、衣料・雑貨などの新業態店舗の配置などによる新コンセプトの商業施設「ネオパーサ」を展開。
SA・PSの利用促進や地域食材の活用や地元のミュージシャンや学生などと連携したイベントなどを開催し、累計で1億3千万人と多くのユーザーが利用しています。