日産「超“高級”コンパクトカー」が凄かった! 匠“手組み”の「高回転エンジン」×5速MTで楽しい! 専用ワイドボディでもはや「マーチ」ではない「ボレロA30」は気合入りすぎモデルだった
日産のカスタムカー「AUTECH」シリーズを手掛ける日産モータースポーツ&カスタマイズは、前身となる「オーテックジャパン」時代に、コンパクトカー「マーチ」をベースにかなりの工数をかけて販売したのが「マーチボレロ A30」でした。どのようなモデルなのか、振り返ります。
もはや「マーチ」ベースだとは思えない!
プレミアムスポーティを標榜し、「ノート」から「エルグランド」まで、日産の幅広い車種にラインナップされる「AUTECH」シリーズ。現在は新型エルグランドの「AUTECH」が人気です。
手掛けるのは、日産モータースポーツ&カスタマイズ(NMC)のカスタマイズ事業部です。
その前身であるオーテックジャパンの創立30周年を記念し、2016年4月にリリースされたのが「マーチボレロ A30(エーサーティ)」でした。かなり気合の入ったモデルとなっていましたが、どのようなクルマなのでしょうか。
1982年に初代モデルが登場して以来、日産のベーシックカーとして屋台骨を支え続けてきたコンパクトカー「マーチ」。2022年に4代目をもって終売となってしまいましたが、いまだ根強いファンも多く、まだまだ街中では現役で走っている姿を見かけることもあります。
そんなマーチに対し「マーチボレロ」は2代目から設定されてきた、オーテックジャパンが手掛けるカスタマイズカーの中でも代表的なモデルのひとつです。
ベーシックなコンパクトカーであるマーチをベースに、専用パーツによりエレガントでキュートなイメージをプラスしたものとなっています。
そして、4代目マーチボレロをベースに、内外装だけでなく動力性能に関わる部分までほぼすべての部分にオーテックが持つ技術の粋を投入し、“笑顔“をキーワードに30台限定でリリースされたのがボレロA30だったのです。

エクステリアではボレロのデザインはそのままに、約90mmのワイドトレッド化を実現。
このワイドトレッド化を実現するため、ボディ幅は大きく拡幅されていますが、後付けのオーバーフェンダーなどではなく、オーテックが擁する職人の手によって形作られたふくよかな面を持つ一体のものとなっています。
もちろんワイドトレッド化に合わせてサスペンションは専用チューニングがなされ、ワイドなタイヤホイールを装着するためにボディ補強も抜かりなく実施。
またボディ剛性の向上だけでなく、センター出しの専用エキゾーストシステムを装着するため、リアのトランクフロアを変更するなど、見えないところにもしっかり手が加えられていました。
そしてパワートレインには通常のマーチには設定のない、排気量の大きな1.6リッター直列4気筒「HR16DE」型エンジンと5速MTを搭載。このエンジンも内部まで手が加えられています。
専用のカムシャフトやバルブスプリング、ピストン、コンロッド&コンロッドボルト、クランクシャフト、インテークポート研磨を実施したシリンダーヘッドなどがおごられ、多くのレース用エンジンを組み上げてきた手練れの職人が1基ずつハンドビルドするという大変豪華な仕様。
普段乗りにも対応できる十分な中低速トルクを持ちながらも、7000回転オーバーまで滑らかに吹け上がる絶妙なフィーリングを実現していたのです。
インテリアはスポーツ志向というよりも、コンフォート志向のレカロ社製のバケットシート(LX-F IM110)が2脚備わり、本革巻き3本スポークステアリングやアルミ製ペダル、220km/hスケールのスピードメーターなど、専用装備が多く与えられていました。
そんなマーチボレロA30は、ベースとなったマーチ「S」グレードの3倍ほどの356万4000円(消費税込)というプライスタグが付けられていました。
しかし、内容を考えたらむしろ安いほどで、実際に価格に転嫁されているのは部品代のみで、製造コストは一切乗せられていないと言われるほどだったのです。
Writer: 小鮒康一
1979年5月22日生まれ、群馬県出身。某大手自動車関連企業を退社後になりゆきでフリーランスライターに転向という異色の経歴の持ち主。中古車販売店に勤務していた経験も活かし、国産旧車を中心にマニアックな視点での記事を得意とする。現行車へのチェックも欠かさず活動中。
































