ハンコックのスタッドレス「Winter i*cept iZ3」はコスパ良し? 試乗して感じた「国産と遜色なし」
韓国のタイヤメーカー「ハンコックタイヤ」は、日本国内でもスタッドレスタイヤを展開しています。スタッドレスといえば日本のメーカーに目が行きがちですが、「ハンコックのスタッドレス」の実力は? 試乗してみました。
スタッドレスタイヤなのにT記号が
日本でスタッドレスタイヤと言えば日本のメーカーの商品に目が行きがちです。そんな海外勢にとっては難しい市場でありながら、日本でスタッドレスタイヤを展開しているのが韓国のハンコックタイヤです。
実際にハンコックのスタッドレスタイヤは選択肢としてアリなのか? 氷上における試乗で、その仕上がりをチェックしてみました。

2026年8月20日、大阪府泉佐野市の関空アイスアリーナにて、ハンコックのスタッドレスタイヤ「Winter i*cept iZ3」の試乗会が開催されました。2024年に日本市場へ投入されたこのタイヤは、当時新開発のコンパウンドと新たなトレッドパターンを採用。従来モデルと比較して、氷上とウエットの両方において性能が高まりました。
接地面積を増加させるショルダーブロック形状は、グリップ力の向上はもちろん、耐久性の向上にも効果があるそうです。
試乗会での説明で開発陣に「このタイヤを開発する上で最もこだわった性能」について聞いてみると、「全方位的に意識した」としたうえで、特に意識したのは「アイス性能」とのことでした。
韓国のタイヤメーカーであるハンコックタイヤは、5つの研究開発センターを有しています。その中には韓国以外の拠点も含まれており、そのうちの1つがフィンランドにあるウインタータイヤ専用のテストコースです。
フィンランドは北欧に位置し、四季のなかで冬が最も長いとされている寒い国です。アイス性能の高いウインタータイヤを鍛え上げるにはもってこいの国といえます。
今回はスケートリンクにて試乗をし、低速域で加速、制動、旋回をチェックしました。試乗車はトヨタ「ノア」で、タイヤサイズは205/60R16となっています。
実物を見て少し驚いたのがタイヤの速度記号です。最高速度190km/hとする「T」が速度記号として記されていました。日本のスタッドレスタイヤだと160km/hとする「Q」記号が多いです。T記号が与えられていることを考えると、今回は試すことができませんでしたが、ドライの高速道路での安定性にも期待が持てそうです。
スタッドレスタイヤを装着しての高速道路ドライブが多いという人にとっては、有効な選択肢の1つとなり得るかもしれません。
氷上でも国産メーカーと遜色なし
走り始めてみると、全体的に好印象を覚えました。スケートリンクでのフィーリングは、国産メーカーの標準的なスタッドレスタイヤと大きく変わりません。
特に良いと感じたのは縦グリップ。発進から加速、そして制動から停止に至るまでは、メーカー名を言われなければ国産タイヤだと思うでしょう。

旋回時の横方向のグリップもそこまで悪くありません。唐突にグリップが失われる感触もなく、タイヤからの滑り出す前のインフォメーションがしっかりとあるため、コントロール下に置きやすい特性だと感じました。
今回はスケートリンクのみの限られたシチュエーションでの試乗でしたが、「国産スタッドレスタイヤと比べても遜色はない」と感じました。
これまであまり意識していなかった「Winter i*cept iZ3」ですが、試乗して好感触であったため、帰宅後なんとなく調べてみて、その価格の手頃さにも驚きました。インターネットで調べたところ今回試乗した205/60R16サイズの場合、メーカーや銘柄によっても異なりますが、国産メーカーと比べて半額近いケースもあります。
もちろん、国産スタッドレスでトップクラスの性能を誇る銘柄には性能面でかなわないとは思いましたが、国産スタッドレスの平均値と言える性能を持つ銘柄とは肩を並べられそうなフィーリングでした。
それを思えば「Winter i*cept iZ3」はとてもコストパフォーマンスの高いスタッドレスタイヤだと言えます。この価格を見て、冬の一般公道での試乗をしたい気持ちがより強くなった次第です。
安心できる性能を確保しつつも、コストは抑えたい…そんな人はチェックすべきスタッドレスタイヤと言えそうです。
Writer: 西川昇吾
1997年生まれ、日本自動車ジャーナリスト協会(AJAJ)会員。大学時代から自動車ライターとしての活動をスタートさせる。現在は新車情報のほか、自動車に関するアイテムや文化、新技術や新サービスの記事執筆も手掛ける。また自身でのモータースポーツ活動もしており、その経験を基にした車両評価も行う。























