高速道路を破壊する「悪質トラック業者」“実名公表”に「甘すぎる」「即アウトにしろ」と怒りの声殺到! 「違反累計300回超え」の″常習犯”の実態とは
NEXCO西日本と日本高速道路保有・債務返済機構(高速道路機構)は2026年8月12日、高速道路での「車両制限令(車限令)」違反を繰り返した事業者の名称と、これまでに実施した是正指導の内容を公表しました。この発表に対し、ネット上やSNSでは様々な反響が寄せられています。
高速道路における車両制限令違反、悪質な常習事業者の実態とは
NEXCO西日本と日本高速道路保有・債務返済機構(高速道路機構)は2026年8月12日、高速道路での「車両制限令(車限令)」違反を繰り返した事業者の名称と、これまでに実施した是正指導の内容を公表しました。
道路法第47条第1項は、道路の構造を守り交通の安全を確保するため、走行するクルマの大きさや重さに「一般的制限値」を設けています。その具体的な数値を規定した政令が車限令であり、長さ12m、幅2.5m、高さ3.8m(高さ指定道路は4.1m)、総重量20t(高速自動車国道または指定道路は25t)、軸重10tがそれぞれの上限とされています。このほか、最小回転半径や輪荷重、隣接する車軸の軸重合計重量についても上限値が定められています。
制限値を超えたクルマが走行した場合、道路設備や構造物を傷めるだけにとどまらず、横転・転覆といった多数の被害者を生みかねない重大事故を引き起こすおそれがあります。事故に至らないケースであっても、重量超過は道路に深刻なダメージを与えます。たとえば軸重が制限値の10tを超えて20tになると、コンクリート床版への損傷は制限値内で通行した場合の「4096倍」に達するとされています。
国の試算によれば、道路劣化の約9割はわずか0.3%の台数にすぎない重量超過車両が引き起こしているといいます。近年は高度経済成長期に集中的に整備された道路インフラの老朽化と修繕が大きな課題となっており、重量超過車の通行はその劣化をさらに加速させています。
一方で、大型資材の輸送やオールテレーンクレーンの回送など、業務の性質上どうしても一般的制限値を超えざるを得ない場面も存在します。そうした場合は「特殊車両(特車)」として扱われ、あらかじめ通行経路や車両諸元を届け出て「特殊車両通行許可(特車通行許可)」を取得することで、例外的に走行が認められています。
許可取得後も、許可証の常時携帯や指定ルートの遵守、条件によっては誘導車の伴走が義務付けられています。申請はオンラインでも行えるようになっていますが、無許可・不正走行は依然として後を絶たない状況です。

今回公表された2026年8月1日時点のリストには、15の事業者名が掲載されています。
そのなかで埼玉県秩父市の事業者Kは、2022年から2025年の4年間に計23件もの是正指導を受けています。2023年には同じ日に2件の是正指導を受けており、違反の内容も「許可証の不携帯」「指定外ルートの通行」「重大な諸元違反」「許可証の有効期限切れ」と多岐にわたります。
さらにこの事業者は、NEXCO西日本と高速道路機構による是正指導内容の公表で繰り返し悪質事業者として名指しされてきたにもかかわらず、2026年5月にも再び是正指導を受けており、反省の姿勢はまったく見られません。
同様の実態を持つ事業者は複数存在します。
千葉県長生郡の事業者Sは2023年から3年間で9回の是正指導を受け、2026年に入っても3回の指導を受けています。その背景となった車限違反の累積件数は301回という途方もない数字に達しています。
4年間で8回の是正指導を受けた別の事業者Sも累積217回の違反を重ねており、千葉県市原市の個人Tも累積91回の違反によって4回の是正指導を受けています。
いずれの事業者も、名指しで指摘されながらなおも違反を繰り返していることから、ルールを守って公道を走るという当たり前の行為すら徹底できない、極めて悪質な常習違反者と言わざるを得ません。
NEXCO西日本はこれらの事業者を「悪質」と位置付けたうえで、「引き続き高速道路機構および各高速道路会社と連携し、高速道路における道路法(車両制限令)違反者に対する指導取締りを実施するとともに、悪質な違反者に対しては告発等も視野に入れた関係機関への情報提供をおこなってまいります」とコメントしています。
なお、車限違反への対応として、NEXCO各社や道路管理者は「車両制限令等違反車両取締隊(車限隊)」を配置しており、サイズや重量超過が疑われるクルマを現場で確認次第「措置命令書」を交付します。措置命令書は積荷の軽減や安全な場所への移動を求めるものであり、危険度が高い場合は「即時退出命令」、つまり直ちに高速道路から退出し車限令を満たす状態に整えることが求められます。
今回の発表に対し、ネット上やSNSでは301回も違反するまで放置されていたのが信じられない」「公表するまでがいくらなんでも遅すぎる」「数回違反した時点で即アウトにするべきではないか」など、対応のスピード感に対する疑問が多く見受けられました。
また、「甘いことを言っていないで、さっさと警察や国土交通省に通報・告発するべきだ」「名前を出したところで、こういう悪質業者は名前を変えてまた同じことをするだけ」「是正指導という言葉自体が生ぬるい」といった、ペナルティの弱さを指摘する声も目立ちました。
さらに、「そもそも高速道路のゲートを開かないようにして、物理的に入れないようにするのが他に迷惑をかけない原点だ」「警察や国交省が介入し、運送事業の許可取り消しや営業停止処分を下すべき」「道路を傷めるのだから、修繕費を全額実費で請求すればいい」など、より厳しい罰則を求める意見も寄せられています。
道路インフラの老朽化が社会的な課題として広く認識されているなか、こうした悪質な違反が繰り返されている実態は看過できるものではありません。取り締まりの強化はもちろんのこと、告発を含む厳正な対応が求められています。
Writer: くるまのニュース編集部
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