発売10年でもまだまだ現役! ロングセラーな国産車5選
10年オーバーでも我が道を行く2車種
●三菱「パジェロ」
三菱といえば「ジープ」という元祖クロスカントリー4WDがありましたが、あまりにも硬派なクルマだったので、乗用車の使い勝手を取り入れつつ、本格的な4WD車として登場したのが「パジェロ」でした。
現行の「パジェロ」は2006年10月に発売され、初代から数えて4代目となります。発売当初は3ドアのショートボディと、5ドアのロングボディをラインナップしていましたが、いまはロングボディのみとなっています。
また「パジェロ」には「パジェロ イオ」「パジェロ ミニ」と弟分のモデルがありましたが、そちらもすでに生産を終了しています。
大きな転換期となったのは2008年で、3.2リッターのクリーンディーゼルエンジンが搭載されました。その後も小規模な改良と、グレードの整理が行なわれ、今日に至ります。
直近では2018年10月11日に一部改良され、装備の充実が図られています。しかし、先進安全装備は搭載されておらず、この先どうなるかは不透明なところですが、次世代の新型モデルへの期待も膨らみます。
ただ、日本では数少ない本格的な大型クロスカントリー4WDとあって、それを求める層からは一定の人気を保っています。実際に中古車市場では年式の割に高値安定傾向にあります。
●トヨタ「エスティマ」
現行モデル(普通乗用車)でもっともロングセラーなのが、このトヨタ「エスティマ」です。発売は2006年1月と「パジェロ」以上の車齢となっています。
近年「エスティマ」で大いに話題になったのは、2016年に大規模なマイナーチェンジが行なわれたことで、記憶に新しいでしょう。フルモデルチェンジではなく、マイナーチェンジが話題になるクルマも珍しいです。
フロント部分のデザインを大きく変更し、先進安全装備「Toyota Safety Sense C」も搭載されました。ハイブリッドモデルもラインナップしていて、燃費性能も最新モデルほどではないですが、18.0km/Lと、ミドルサイズのミニバンとして優秀な値になっています。
このミドルサイズというのが、生き残った理由とも言われています。ひとクラス下のミニバンだと「ノア」3兄弟に対し、日産「セレナ」、ホンダ「ステップワゴン」などがライバルですが、「エスティマ」クラスだとホンダ「オデッセイ」しかありません。2017年には1万4000台ほど売れている実績もあるので、新型を出さなくても、まだまだ行けるということでしょう。
さすがにロングセラーだけあって、中古車もふんだんにあります。走行距離3万km以下で70万円台から買うことができます。仮に10年前の中古車でも現行モデルですから。
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今回紹介した5車種以外でもトヨタ「プレミオ」が2007年からフルモデルチェンジしていません。日産「フェアレディZ」も今年で発売10年になります。また特殊な例ですがスズキ「ジムニー」は20年、トヨタ「センチュリー」は21年ぶりにフルモデルチェンジしています。
最近はロングセラーが多くなっている傾向ですが、人気があっての場合と、メーカーの事情による場合があるようです。
【了】