日産「“小さな”FRスポーツ」に注目! 全長4.3mの“ちょうどいい”シルビア後継機!? ガバッと開く「斬新ドア」&「高級インテリア」採用した流麗クーペ! ロングノーズが美しい「フォーリア」とは!

かつて「東京モーターショー」で日産が公開した「フォーリア」は、全長4350mmのコンパクトな5ナンバーサイズにFRレイアウトを収めた2ドアクーペ車で、復活が期待される「シルビア後継車」を思わせるコンセプトカーとして注目を集めました。いったいどのようなクルマだったのでしょうか。

日産「“小さな”FRスポーツ」に注目!

 日産が2005年10月開催の「第39回 東京モーターショー」で世界初公開したコンセプトカーが、2+2クーペの「フォーリア(Foria)」です。
 
 コンパクトな5ナンバーサイズにFRレイアウトを組み合わせたパッケージングは、2002年に生産を終えた日産のFRクーペ「シルビア」を思わせるものでした。

 車名の由来は、高揚感を表すイタリア語の「euforia」。成熟した審美眼を持つ大人のユーザーに向け、新しいパーソナルカー像を提案するものでした。

 日産では、コンパクトなクーペボディにスポーツマインドとエレガンスを内包したモデルだと説明していますが、特に“シルビア後継”をうたっていた訳ではないようです。

 しかしそのフォルムは、1965年に誕生した初代シルビア(CSP311型)の美しいスタイリングを強く意識したものであることは明らかでした。

 なお同じショーの日産ブースには、2007年の登場を宣言していた「GT-R PROTO」や電動コンパクトカー「ピボ(Pivo)」、ミニバンの「アメニオ(AMENIO)」(2010年に発売された3代目「エルグランド」の原型)なども並びました。

日産「“小さな”FRスポーツ」に注目!
日産「“小さな”FRスポーツ」に注目!

 開発の背景にあったのは、居住性やスタイルを追求するなかで、スポーツカーが大型化していく傾向への問題意識です。

 その対案として、コンパクトなサイズにドライビングプレジャーとエレガンスを組み合わせたパーソナルクーペとして企画されました。

 ボディサイズは全長4350mm×全幅1695mm×全高1370mmで、5ナンバー枠の寸法に収まります。

 極端に短いフロントオーバーハング、長いフード、コンパクトに見えるキャビンを組み合わせ、フードからトランクリッドまで水平基調のラインを描いていました。

 グリルと一体化したヘッドランプは、カットしたサファイアを思わせる深い青のレンズを備え、精密機器のような精度と宝飾品のような質感を狙ったものです。

 サイドウインドウをラップアラウンドするアルミニウム製モールディングが、力強さとエレガンスを併せ持つ表情をつくります。タイヤは18インチの大径サイズが与えられました。

 パッケージングの見どころは、Bピラーを持たない観音開きの4ドアです。前席をスポーティな位置に置きながら、前後ドアを中央から開く構造によって大きな開口部を確保し、後席への乗降性に配慮していました。

 いっぽう、インテリアのテーマは上質さです。

 レザートリムは、皮革と金属の留め鋲が一体となった馬の鞍からインスピレーションを得たと説明され、ダークブラウンの色合いがシックなムードを漂わせていました。メーター類はレトロなアナログながら、単なる懐古趣味ではなく銀塩カメラの名機のような精緻感を持たせていたと紹介されています。

 ドアトリムやインナードアハンドル、吹き出し口、シフトノブなどにはメタル素材を採用。指が触れる部分には日本の伝統技法からヒントを得た表面処理を施すなど、大人のクーペらしい作り込みが徹底されていました。

 パワートレインの詳細は公表されませんでしたが、中型クラスのエンジンとパドルシフト付きATを組み合わせ、街中での軽快な走りやワインディングでのドライビングを想定していました。

 シャシー面では、前後輪の舵角を制御する4輪アクティブステアを採用していました。その後、2006年11月に発売された「スカイライン」(12代目・V36型)には、世界初の4輪アクティブステア(4WAS)が実用化されています。

※ ※ ※

 市販化のウワサも大いに盛り上がりをみせたフォーリアでしたが、けっきょく市販化されることはなくコンセプトカーに留まりました。

 その後日産は2013年の東京モーターショーで、全長4100mm×全幅1700mm×全高1300mmのFRクーペ「IDx」を公開し、こちらもフォーリア同様に“シルビア後継”として注目されましたが、結果的に市販化には至っていません。

【画像】超カッコイイ! これが日産の「“小さな”FRスポーツ」です!(30枚)

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Writer: 佐藤 亨

自動車・交通分野を専門とするフリーライター。自動車系Webメディア編集部での長年の経験と豊富な知識を生かし、幅広いテーマをわかりやすく記事化する。趣味は全国各地のグルメ巡りと、猫を愛でること。

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