外環道の“未開通部”「関越~東名間」いまどうなっている? 完成すれば「世田谷〜練馬12分」&環八渋滞も解消? 「陥没事故」から5年経過でトンネル掘削は“完全ストップ”状態…
東京都心周辺をぐるりと結ぶ外環道で、未開通部の工事が進められています。工事は現在どこまで進んでいるのでしょうか。
外環の未開通部「関越〜東名」いまどうなっている?
東京都心周辺をぐるりと輪っかをつくるように走る外環道で現在、未開通部の工事が進められています。
工事は現在どこまで進んだのでしょうか。
外環道は、千葉県市川市の高谷JCTから東京都練馬区の大泉JCTまで、都心の外側をぐるっと環状を描く形で結ぶ約50kmの高速道路です。
高谷JCTでは東関東道と首都高湾岸線、京葉JCTでは京葉道路、三郷JCTでは常磐道と首都高6号三郷線、川口JCTで東北道と首都高S1号川口線、美女木JCTでは首都高5号池袋線とS5埼玉大宮線、大泉JCTで関越道とそれぞれ接続。
ほぼ終日にわたって渋滞している都心を通り抜けることなく、各方面に向かう主要高速と連絡する役割を担っています。
道路は高速道路(自動車専用道路)の部分と一般道(国道298号)で構成され、これらを含めた総称が「東京外かく環状道路」です。一般には高速道路の部分のみを指して「外環道」と呼ばれています。

さて、この外環道はまだ全線が開通していません。
未開通となっているのが、大泉JCTから南下し、東名高速と接続する世田谷区の東名JCT(仮称)までの約16kmの区間です。途中、三鷹市内の中央JCT(仮称)で中央道に接続します。
この未開通部は、ちょうど練馬区から世田谷区周辺のエリアで、住宅密集地かつ都内の主要道路と交差し、大型車の通行も非常に多いにも関わらず、まともなタテ道路が完全な空白地帯となっているところです。
最寄りのタテ軸の高速はもっと都心寄りの首都高 C2中央環状線しかなく、一般道の移動を強いられます。
その一般道でも、タテ移動は環八(都道311号線)かさらに都心寄りの環七(都道318号線)しかなく、需要に対して容量が不足しています。ラジオの道路交通情報では、毎日環八と環七の渋滞情報が流れ、その名称を聞かない日はありません。
そんななか、第三京浜・東名・世田谷方面から関越道で高崎・新潟方面へ行きたい場合や、その反対に練馬や板橋から東名で名古屋・大阪方面へ行きたい場合などは、延々と環八か環七を走る必要があり、ドライバーはひどい渋滞に悩まされています。
特に世田谷区内の環八は内回り・外回りともに朝夕の混雑がひどく、「環八東名入口」交差点から関越手前の「谷原」交差点までのわずか15kmにも満たない距離が、1時間以上かかる場合も珍しくありません。
外環道のこの区間が開通すると、関越から東名までの所要時間はわずか「12分」と、驚異的に短縮。環八・環七の地域生活車両と、関越方面〜東名方面の交通流が分かれ、大混雑は一気に解消します。
さらに、環八と接続する主要国道である国道20号 甲州街道や国道246号など、23区西部の交通流も改善されます。
加えて、「都心環状線沿線に用のないクルマ」が、都心を通らずに外環に移動できることで、都心環状線や中央環状線の混雑も緩和します。
さて、未開通部となる大泉JCT〜東名JCTの区間ですが、全て地下区間で工事が進められており、片側3車線の合計6車線になる予定です。
気になる進捗ですが、現在4基のシールドマシンが本線のトンネルを掘り進めているところです。
2026年8月8日現在、4基のマシンの最新情報が発表されています。
まず、大泉JCTから南に進み、内回りトンネルをつくるシールドマシン「グリルド」は大泉JCTから4622m付近、具体的には西武新宿線 上石神井駅南側の青梅街道の下にいます。
このグリルドは2026年1月中旬の掘削中、カッターを回転させるギアから異音が発生。点検したところギアの変形が確認され、掘進が停止しています。今後はギアの点検と補修を行い、それが完了すれば再び動き出す予定ですが、しばらく停止中です。
同様なルートで外回りトンネルをつくるマシン「カラッキィー」は大泉JCTから5707m、杉並区善福寺の東京女子大学付近にいます。こちらは順調です。
その反対、東名JCTから北に掘削を進めているシールドマシンは進捗が悪い状態です。
まず外回りトンネルをつくる「がるるん」は、2020年10月に調布市内を掘削中、地上で大規模な道路陥没が発生。陥没は深刻で、周辺家屋の立ち退き後、地盤をセメントで固めるという大掛かりな改良工事が必要となりました。
工事は2023年8月に開始され、直径約4m・長さ約40mのパイプ計220本を地中に打ち込むという地道な作業です。1本分を仕上げるのに、約5日かかるといいます。
2025年11月末の最新情報では、概ね6割が完了しているとのことですが、2026年12月に工事が完了する予定がさらに1年ずれ込んだと報告されています。
その間、がるるんは東名JCTから3582mのところ、調布市つつじヶ丘あたりで停止したままで、シールド機内の土砂安定化を図るため定期的にカッター回転を行っている程度です。
同じく東名JCTから北進して内回りトンネルを掘る「みどりんぐ」も同様に停止しており、東名JCTから4427mのつつじヶ丘あたりで止まっています。
予想外のトラブルで遅れを取っている外環道の未開通部ですが、まずは道路陥没に対する地盤改良が完了するまでが第一歩です。シールドマシンの掘進はその後で、トンネルを掘り終わってもその後の作業が続きます。
現在のところ、正式な開通予定は発表されておらず、トンネルの貫通も完全に未定といった状況ですが、安全第一で工事が進むことが最優先です。
Writer: くるまのニュース編集部
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