首都高湾岸線の「荒川に架かる橋」が“大手術”実施へ! “サビだらけ状態”を7年半かけて完全リフレッシュ! 「総額110億円」の“世紀の大工事” 「荒川湾岸橋」修繕現場を公開

首都高は、湾岸線の新木場出入口〜葛西出入口間にある「荒川湾岸橋」の大規模修繕工事の内容を、メディア向けに初公開しました。7年半かけ、劣化の激しい橋梁の約半分をリニューアルします。

想像以上に深刻な「サビ」との戦い

 では、現場の様子はどうなっているのでしょうか。

 工事の拠点は357号の「新木場」交差点にある保守基地です。ここからちょうど橋の下に設けられた吊り足場に入っていきます。

 吊り足場はジャングルジムのように複雑に入り組んだ足場が架けられ、トラスの上から下まですべてで作業ができるようになっています。

 途中途中には、トラス構造が背の高さより低い部分を通過していることから、かがむような姿勢で通過する必要がある箇所もあります。もちろん、吊り足場の下はすぐに荒川の河口です。トラスの複雑な構造と、吊り足場の幾何学的な構造がなんとも物々しい雰囲気ですが、「構造物マニア」が見れば絶景といえるかもしれません。

首都高湾岸線「荒川湾岸橋」の下。すでに足場が組まれている[撮影:くるまのニュース編集部/2026年8月6日撮影]
首都高湾岸線「荒川湾岸橋」の下。すでに足場が組まれている[撮影:くるまのニュース編集部/2026年8月6日撮影]

 トラス本体やガセットプレートの接続部分を見ると、その劣化は離れていてもわかります。激しく錆で腐食し、ボルトが破断しているものもありました。

 トラスは橋全体で1700箇所、ガセットプレートも今回の半分の工事で100箇所があり、それらを締結しているボルトはかなりの数になります。気が遠くなるような工事となりますが、それらをひとつずつ補修することで、道路としての信頼性は抜群に上がります。

 また、これまでの補修で塗り重ねた部分の腐食もありました。腐食がミルフィーユのような状態になり、「直しては腐食」が何度も繰り返される状況で、厳しい環境に晒されることがわかります。

 2032年に半分の工事が終わり、その後も千葉方面の工事が進行する予定で、2040年頃には生まれ変わった荒川湾岸橋の姿を見ることができそうです。

 今回の工事に関し、首都高速道路 東京東局 保全管理課の内海 和仁 課長は以下のように話しています。

「荒川湾岸橋は1978年に供用開始し、45年以上が経過しております。1日約16万台の交通量を担っており、首都高の物流・交通を支える極めて重要な土木インフラです。

 しかし、海に近い厳しい環境下にあり塩風の影響を受けやすいため、これまで点検を行い当面の安全性は確保しつつも、損傷の都度部分的な補修を繰り返してきた経緯があります。近年では下地からの塗膜の大規模な剥がれ、急速に進む鋼体の腐食、一部部材では断面欠損や破断といった深刻な損傷が顕在化しております。

 荒川の上という立地から足場設置などに制約があり、都度の補修ではコストや時間を要するほか、広がる劣化に対して十分な対応がしきれなくなってきた現状があります。また、両側に国道357号とJR京葉線が並行して走っており、迂回路の確保も困難なため、橋自体の架け替えも非常に困難です。

 そこで私たちが考えたのは、損傷が深刻化して使用限界に至る前に、100年先を見据えた長期耐久性の確保を目指した抜本的な大修繕を実施することです。

 剥がれやすい既存塗膜をすべて除去して高耐久な塗装へ塗り替えるほか、不足した部材の交換・補強、点検用通路の増設などを行い、構造物の健全性を抜本的に回復させ、今後の維持管理を大幅に改善してまいります」。

【画像】「えっ…」 これがサビだらけになった湾岸線「荒川湾岸橋」の状態です 画像で見る(30枚以上)

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Writer: くるまのニュース編集部

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