トヨタ新型「“ミッドシップ”スポーツカー」登場!? “ヤリス顔”&ワイドアンドローボディがスゴイ「迫力モデル」何を示すのか
7月下旬に富士スピードウェイにて走る謎のスポーツカーの存在がSNSに報告されました。一体、このクルマは何ものなのか。考察してみます。
謎のスポーツカー登場
7月下旬の富士スピードウェイにて、真っ黒なスポーツカーが走行していることがSNSにて報告されました。なんと、その投稿は、わずか1週間強ほどで、740万以上のインプレッションを出すほど注目されました。
そこで、気になるのは、この真っ黒なクルマが何か。ということです。低く構えたスタンスの2ドアクーペで、前後に大きなブリスターフェンダーを備え、リヤにはウイングまでを載せています。そして、そのヘッドライトを含んだ顔つきは、誰がどう見ても、「ヤリス」そのもの。
また、フェンダーなどの外装には、小さな白いビスのようなもので固定されているようです。
ここから予測できることは、「トヨタが開発しているクルマ」であるということ。ただし、量産モデル向けなのか、それともWRCカーなどの競技専用車なのか、はたまた先が何も決まっていない技術的な先行開発など、その可能性はいくつも考えられます。

春に見つかった謎のWRCカーとの関係は?
ちなみに、今年の春先には、欧州にて、やはり「ヤリス」のような2ドアクーペの開発車両が見かけられています。欧州のクルマは、赤と白、黒をモザイクにしたカラーリングで、タイヤが大きく、車高も高いオフロード仕様で、WRCカーのプロトタイプと目されるようなルックスでした。
この欧州のWRCカーのようなクルマと、今回の富士スピードウェイで見つかったクルマは、なにか関係があるのでしょうか。
もしも、トヨタが新しいスポーツカーをリリースして、その新型スポーツカーをベースにしたマシンをWRCに投入するというのであれば、この2台は深い関係があると言えます。富士スピードウェイを走った黒いクルマが市販のための開発車であり、欧州のクルマがWRCカーの開発車と見なすことができるからです。
そういう意味では、今回、富士スピードウェイで見つかった黒いクルマは、市販モデルのための開発車である可能性が高まります。
トヨタの次なるスポーツカーとは?
もしも、今回の富士スピードウェイを走行した黒いスポーツカーが、なんらかの新型車であれば、どのようなクルマになるのでしょうか。
まず、富士スピードウェイを走った黒いクルマの特徴は、2ドアクーペというだけでなく、「フロント部が短く、ボンネットに大きなダクトがある」「後輪のブリスターフェンダー部に、空気取り入れ口のようなものが見える」「後席部分が覆われており見えない」ということです。
この写真から言えるのは、まず「水平対向エンジンを搭載するFRモデルではない」ということです。ボンネットが短すぎるからです。となれば、次期「GR 86」ではないことは確実でしょう。
ただし、エンジンの搭載位置は、かなり微妙です。エンジンをフロントに横置きするFFプラットフォームにも、後席部分に載せたミドシップにも、どちらの可能性があるように思えるからです。とはいえ後輪の大きなダクトを見れば、ミドシップの可能性の方が大きいかもしれません。
ミドシップであれば、2025年の東京オートサロンに登場した「GRヤリスMコンセプト」を彷彿させます。
ハッチバックの「GRヤリス」をベースに、エンジンを後席に移動させたミドシップ4WDマシンです。その中身を使って、2ドアクーペに仕立てたマシンが、今回の富士スピードウェイで見つかった謎のクルマと推測することもできます。
もしもミドシップのスポーツカーであれば、トヨタが80年代から90年代に販売していた「MR2」の復活そのものと言えるでしょう。新世代のMR2が4WDとなって復活し、WRCへも参戦するというストーリーを期待することができます。
ミドシップでなければ、また別の期待が高まります。それが「セリカ」の復活です。今でこそ、トヨタのスポーツカーの代名詞はGR86や「GRスープラ」になっていますが、もともとの大看板は「セリカ」でした。
ラリーやレースでの活躍もセリカからでしたし、スープラもセリカの派生モデルから生まれています。
1960年代から2000年代にかけて、トヨタの身近なスポーツカーと言えば「セリカ」がナンバー1だったのです。GR86も、漫画「頭文字D(イニシャルD)」のヒットが先になければ、セリカと名乗っていたのではないでしょうか。
そういう意味で、トヨタがコンパクトなスポーツカーを新たに作るのであれば、セリカというビッグネームを再利用する可能性は、非常に大きいと言えます。
また、ミドシップのMR2であった場合、乗員は2名になりますから、利便性は4人乗車できるセリカの方が売れるでしょう。そのために販売数もセリカの方が多くなりますから、ビジネス的にも成立しやすいはずです。
どちらにせよ、今回の富士スピードウェイを走っていた車両は、まだまだ先行開発という段階のように思えます。
駆動方式もミドシップなのかFFなのかは、決まっていないのかもしれません。もう少し、内容が定まっているのであれば、今回のように人目に付くところを走らせることもないはず。
逆に、チラッと見せて、市場の反応を確認していると考えることもできます。
ということは、MR2なのかセリカになるのかは、市場の反響次第かもしれません。市場の声に注目しているトヨタの開発陣に向けて、ぜひとも声をあげてみましょう。
Writer: 鈴木ケンイチ
1966年生まれ。國學院大学経済学部卒業後、雑誌編集者を経て独立。自動車専門誌を中心に一般誌やインターネット媒体などで執筆活動を行う。特にインタビューを得意とし、ユーザーやショップ・スタッフ、開発者などへの取材を数多く経験。モータースポーツは自身が楽しむ“遊び”として、ナンバー付きや耐久など草レースを中心に積極的に参加。見えにくい、エンジニアリングやコンセプト、魅力などを、分かりやすく説明するように、日々努力している。最近は新技術や環境関係に注目。年間3~4回の海外モーターショー取材を実施。
著書「自動車ビジネス」(クロスメディア・パブリッシング)















































