“唯一無二”な「新型“スライドドア”SUVミニバン」がスゴい! 熟成極まった4WDモデルは「残価」も強い!? デビュー19年目で“過去最高”記録達成の三菱「デリカD:5」絶好調な理由とは

2007年登場の三菱「デリカD:5」が、2025年度に2万6379台を販売し過去最高を記録しました。デビュー19年目を迎えたモデルがなぜいま絶好調なのか、その理由に迫ります。

19年目で到達した“熟成の境地”とは

 三菱が誇るオフロードミニバン「デリカD:5」。2026年1月に行われた大幅改良では、ファン待望の車両運動統合制御システム「S-AWC」を新採用するなど、デビュー19年目を迎えたいまも進化を続けています。

 かつて日本市場には、1979年の三菱「デリカスターワゴン」を筆頭に、日産「バネットラルゴ」や「セレナ キタキツネ」、マツダ「ボンゴワゴン」など、アウトドアレジャーを意識した4WDミニバンが数多く存在していました。

 しかし時代の変化とともに、各メーカーは快適性や燃費性能を重視したオンロード志向へとシフト。いまやこのカテゴリに残っているのは、デリカスターワゴンから受け継がれてきたデリカシリーズの現行モデル、デリカD:5のみです。

 舗装路での快適性や、ファミリーユースに欠かせないスライドドア、広い3列シート空間といったミニバンの利便性と、本格SUVに求められる悪路走破性を高いレベルで両立させたパッケージングは、デリカシリーズが長年築き上げてきた独自の価値です。

 なかでも、名オフローダー「パジェロ」のメカニズムを受け継いだ1994年登場の「デリカスペースギア」によって、三菱は従来の4WDミニバンの枠を超えた「オフロードミニバン」という独自のポジションを確立しました。

「デリカD:5」根強い人気の理由とは
「デリカD:5」根強い人気の理由とは

 箱型ボディのミニバンに本格SUV並みの走破性と耐久性を与えるには、高い技術力が必要です。

 他メーカーがオンロード志向へと舵を切るなか、三菱だけがこの路線を守り続けた結果、デリカD:5は現在も唯一無二の存在として支持を集めています。

 もちろん、人気の理由はキャラクターだけではありません。

 パワートレインには2.2リッタークリーンディーゼルを搭載し、2000rpmという低回転域から湧き出る380Nmの極太トルクと、滑らかな8速ATを組み合わせたことで、重い車体をものともせず豪快に加速させます。

 近年は月間平均約2000台の販売を維持しており、2025年度には過去最高となる2万6379台を販売。デビュー19年目にして最高販売を記録したことは極めて異例といえます。

 この勢いを後押ししたのが、2026年1月に実施された大幅改良です。

 最大のトピックは三菱独自の車両運動統合制御システム「S-AWC」の採用です。

 従来の4WDシステム(AWC)に加え、AYCなどを統合制御することで、雪道や滑りやすい路面、コーナリング時などでの安定性をさらに高い次元へと引き上げました。

 さらに路面状況に応じて最適な制御を行う走行モードには「GRAVEL」や「SNOW」など4種類を設定したほか、急坂を安全に下れるヒルディセントコントロールも新採用。オンロードでの安定性と悪路での安心感をさらに高めています。

 インテリアも進化しました。

 新たに8インチカラー液晶メーターを採用し、4WDシステムの作動状況を視覚的に確認できるよう変更。シートにはスエード調素材と合成皮革を組み合わせ、カーキステッチを施すことで質感も向上しています。

 そんな最新版デリカD:5の価格(消費税込)は、451万円~494万4500円です。

 300万円台から買えるミドルクラスミニバンのトヨタ「ノア/ヴォクシー」よりも高く、ラージクラスのトヨタ「アルファード」(500万円台~)に迫る高価格帯ですが、中古車市場では3年後で約85%、5年後で約70%という高い残価率を維持しているというから驚きます。

 購入時の価格だけでなく、売却時まで含めた実質的な負担の少なさも支持を集める理由のひとつです。

 さらに長年にわたる改良によって品質や信頼性も熟成されており、安心して長く乗れる点もデリカD:5ならではの強みとなっています。

 フルモデルチェンジという話題性に頼るのではなく、長年にわたる改良の積み重ねによって築かれた信頼感こそが、多くのユーザーから支持され続ける理由のひとつといえそうです。

※ ※ ※

 現行型が熟成を極める一方で、ファンが気になっているのが次期型デリカの存在です。

 2026年5月に三菱が発表した中期商品ラインナップには、次世代オフロードミニバンとみられるシルエットが確認されており、その登場は確実視されています。

 2023年の「ジャパンモビリティショー」で世界初公開された「MITSUBISHI D:X Concept」は、「絶対安全大空間×絶対走破性」を掲げた次世代デリカの提案でした。

 完成度を高め続ける現行デリカD:5に対し、次世代モデルがどのような価値を提示するのか。デリカらしい走破性や実用性を受け継ぎながら、どのような進化を遂げるのか注目が集まります。

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Writer: 吉川 賢一

日産自動車にて11年間、操縦安定性-乗り心地の性能開発を担当。スカイライン等のFR高級車の開発に従事。新型車や新技術の背景にあるストーリーや、作り手視点の面白さを伝えるため執筆中。趣味は10分の1スケールRCカーのレース参戦、クルマ模型収集、サウナなど

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三菱 デリカD:5
イメージ画像

新車価格(税込)

451万円〜495万円

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