自転車「青切符」悪用の“ニセ警察官”が続出!? 中高生や高齢者ねらう卑劣な行為! “5万円”騙し取られたケースも
2026年4月から始まった自転車の「青切符」制度ですが、各地で制度を悪用した詐欺事件が発生しています。特に中高生をねらった事件も多いため、注意が必要です。
警察官を装う手口に要注意! 反則金を「その場で支払い」は詐欺
2026年4月1日から、自転車の交通違反に対してもクルマやバイクと同様に交通反則通告制度、いわゆる「青切符」の制度が導入されています。
この青切符制度は、自転車の運転者が青切符によって検挙された際、一定期間内に反則金を納付すれば刑事罰の対象とならずに交通違反が処理されるという仕組みです。
たとえば自転車で「一時不停止」の交通違反をして検挙された場合、反則金5000円を納付すると、その違反に関する手続きは完了します。また自転車は運転免許が必要な乗り物ではないため、違反点数が加算されることもありません。
このような仕組みの青切符制度ですが、最近はこの制度を悪用した詐欺事件が相次いでいます。
まず4月4日、高校生が広島県呉市の市道を自転車で走っていたところ、50代くらいの男が「法律が変わって手信号をしないといけんのよ。違反だから2000円を支払う必要がある」などと言って、その場で高校生から2000円をだまし取るという事案が発生しました。
さらに4月12日にも、40代の男性が栃木県小山市の県道交差点を自転車で通過した際、乗用車に乗った2人組の男から「信号無視の違反で罰金1万5000円ね。今払わないと捕まるからね」などと声をかけられ、お金をだまし取られました。
加えて4月14日には、鹿児島県日置市内の道路上で男子高校生が自転車で登校中、警察官を名乗る男2人に呼び止められ、現金6000円をだまし取られる事案が起きました。
男らは「手信号をしていないから違反。振り込みだと利息がつくから今(反則金を)払った方がいい」などと高校生に促したということです。
また詐欺未遂ではあるものの、北海道室蘭市においても4月13日、警察官を装った男が自転車に乗って一時停止していた男子中学生に「違反だから罰金5000円を払って」などと要求する事案も発生しました。
この事案では、警察官の制服を着用していないことを不審に思った中学生が、男に警察手帳を見せるよう求めたところ、男は現場から逃走したということです。

これらの事案を踏まえると、特に中高生をねらった犯行が多く、保護者や周囲の大人をはじめ、社会全体で注意していく必要があります。
警察は青切符制度を悪用した詐欺事件を受け、警察官が違反者から直接反則金を受け取ることはないと説明したうえで、警察官をかたった者から反則金の支払いを求められた場合はすぐに110番通報をするよう呼びかけています。
交通違反の反則金は、銀行や郵便局といった金融機関の窓口でのみ支払いが可能であることから、その場でお金を要求されたり、相手の言動に違和感があったりする場合などは詐欺を疑うべきといえるでしょう。
また上記のような詐欺事件では、犯人が被害者に高額な反則金を要求するケースもみられます。
4月17日には愛知県名古屋市において、歩道を自転車で走っていた70代の男性が警察官を名乗る男2人から「歩行者がいるのに手信号をしないのは違反」と声をかけられ、5万円をだまし取られる詐欺事件が発生しています。
自転車の青切符の対象となる交通違反で反則金が最も高額なものは「携帯電話使用等(保持)違反」の1万2000円であり、それ以上に高くなることはありません。法外な金額を要求された場合にも、詐欺を疑うことが重要です。
※ ※ ※
警察は自転車の青切符の取り締まり方針について「指導警告を原則とし、交通事故の原因となるような危険性・迷惑性が高い悪質・危険な交通違反があったときに検挙をおこなう」と明らかにしています。
具体的には「遮断踏切立ち入り」のような重大な事故につながるおそれが高い違反をしたときや違反によって実際に交通の危険を生じさせたとき、警察官の指導警告に従わず違反行為を続けた場合などが挙げられます。
つまり青切符の検挙ハードルは高く、上記にある「単に手信号をしなかった」というだけで検挙されるとは考えにくい状況です。もし詐欺が疑われる場合には、絶対にその場でお金を支払わず、ただちに警察へ通報するようにしましょう。
Writer: 元警察官はる
2022年4月からウェブライターとして活動を開始。元警察官の経歴を活かし、ニュースで話題となっている交通事件や交通違反、運転免許制度に関する解説など、法律・安全分野の記事を中心に執筆しています。難しい法律や制度をやさしく伝え、読者にとって分かりやすい記事の執筆を心がけています。
































