自転車へ「違反したでしょ詐欺」発生!? “青きっぷ”新制度でニセ警察官が「この場で反則金払え」要求? どんな事件だったのか
2026年4月1日から始まった自転車の「青切符」制度ですが、広島県と栃木県において、この青切符制度を悪用した詐欺事件が発生しています。一体どのような事案だったのでしょうか。
「その場で払え」はニセモノ! 詐欺事件の典型パターンとは?
2026年4月1日から、自転車の交通違反にもクルマやバイクと同様に交通反則通告制度(いわゆる「青切符」制度)が導入されています。
この青切符制度は、自転車の運転者が青切符によって検挙された際、一定期間内に反則金を納付すれば刑事罰の対象とならずに交通違反が処理されるという仕組みです。
たとえば自転車で「一時不停止」の交通違反をして検挙された場合、反則金5000円を納付すると、その違反に関する手続きは終了します。また自転車は運転免許が必要な乗り物ではないため、違反点数が加算されることもありません。
このような自転車青切符制度ですが、制度を悪用した詐欺事件が相次いで発生しています。
まず4月4日には、広島県呉市の市道において、50代くらいの男が自転車に乗っていた高校生から現金2000円をだまし取る事件が起きました。
警察によると、男は高校生に対し「手信号してないよ。4月4日から法律が変わって手信号をしないといけんのよ。交通違反だから2000円を支払う必要がある」などとウソをついて、その場で現金をだまし取ったということです。
交通違反の反則金は銀行や郵便局などの窓口で支払うことが一般的であり、警察官が現場で徴収することは絶対にないため、注意すべきです。
なお上記にある自転車の手信号(ハンドサイン)とは、自転車が右左折や進路変更、転回、徐行、停止するときなどに出す合図のことで、道路交通法第53条によって合図を出す義務が定められています。
手信号の詳細な方法は道路交通法施行令第21条第1項に規定されており、一例を挙げると、自転車が右折や右へ進路変更、右へ転回するときには右腕を水平に伸ばすか、左ひじを90度に曲げて上げる方法があります。
自転車の手信号を怠ると「合図不履行違反」に該当し、検挙されれば5000円の反則金が科されることがあります。
ただし、自転車の基本的な交通ルールや交通違反の取り締まり方針などについて解説した「自転車ルールブック」(警察庁が作成)には手信号や合図不履行に関する記載はなく、現段階で警察官が積極的に取り締まる交通違反ではないとみられています。

さらに4月12日にも栃木県小山市において、警察官をかたる男が自転車を運転していた男性からお金をだまし取る事件が発生しました。
警察によると、自転車の男性が市内にある県道の交差点を通過したところ、乗用車に乗った男から「自転車は車両扱いだから」などと声をかけられ、停止を求められました。
車外に出てきた男は小山警察署の警察官を名乗り、「信号無視の違反で罰金1万5000円ね。今払わないと捕まるからね」などと言って、男性に現金を要求したということです。
男性が警察官であると信じてお金を支払ったところ、男は本物によく似た青切符と反則金の納付書のような書類を男性に手渡し、乗用車で立ち去りました。
その後、パトカーが現場近くを通りかかった際、男性が警察官に「違反をしたつもりはないが気が動転して反則金を支払ってしまった。納得がいかない」などと話したことで、今回の詐欺事件が発覚しました。
被害にあった男性によると、お金をだまし取った男は40代くらいの2人組で、制服ではなく私服を着用していたほか、白いセダンタイプの車両に乗っていたということです。
警察は詐欺事件として捜査するとともに、「警察官がその場で直接反則金を徴収することはない」と注意を呼びかけています。
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ちなみに自転車の信号無視(赤色)の違反は反則金6000円であり、最も高額な反則金は「携帯電話使用等(保持)違反」の1万2000円です。
自転車の取り締まりに関して、相手に少しでも怪しい挙動があったり、その場で反則金の支払いを求めてきたりするような場合はお金を支払わず、ただちに警察へ通報することが重要です。
Writer: 元警察官はる
2022年4月からウェブライターとして活動を開始。元警察官の経歴を活かし、ニュースで話題となっている交通事件や交通違反、運転免許制度に関する解説など、法律・安全分野の記事を中心に執筆しています。難しい法律や制度をやさしく伝え、読者にとって分かりやすい記事の執筆を心がけています。































