日産の「“3列6人乗り”高級SUV」に注目! 超豪華内装×斬新“観音開きドア”採用! 賛否両論の声もある「インフィニティ クラーザ」米国コンセプトカーどんなクルマ?
全乗員に専用ドアを用意する。20年以上前に日産の海外向け高級ブランド「インフィニティ」が発表した「クラーザ」は、SUVの既成概念を覆す独創的な一台でした。市販化に多数の反対票が投じられた斬新な6人乗りSUVですが、どのようなモデルなのでしょうか。
すべての席に特等席を!
日産の高級車ブランド「インフィニティ」が、既存のラグジュアリーSUVにはない「新しい空間価値」を求めて開発した意欲作がありました。
20年以上前に、圧倒的な存在感とこれまでにないパッケージングを両立し、すべての乗員に最大限の利便性と豪華さを提供する多人数乗用車の新しいあり方を示したのは、「Infiniti Kuraza Concept(インフィニティ クラーザ コンセプト)」です。
このコンセプトカーは、2005年1月に米国で開催された「北米国際オートショー(デトロイトモーターショー)」にて、参考出品車として世界初公開されました。
会場では、SUVに6枚のドアを組み合わせるというかつてない構成に、驚きと困惑の声が上がりました。

インフィニティは「社会的かつ活動的な大人6人が、等しく快適に過ごせる空間」を追求しましたが、あまりに大胆な観音開きのドアと、実用性を度外視したかのようなデザインは大きな議論を呼びました。
なかでも否定的な意見が優勢となり、米紙ウォール・ストリート・ジャーナルが行った読者投票では、実に69%が市販化に反対の意を示したほどです。まさに「斬新過ぎて市販化反対の声多数!」という、異例の事態を招いた一台でした。
最大の特徴は、3列すべてのシートに専用のドアを設けた「6ドア・パッケージング」です。後方のドアは観音開き(リアヒンジ)を採用しており、ピラーがない大開口部を実現。これにより、3列目シートへのアクセスを劇的に向上させていました。
デザインでは、垂直に配置された大型LEDヘッドランプや、24インチの巨大なアルミホイールが圧倒的な存在感を放ちます。
内装は「和」のテイストが盛り込まれ、1列目から3列目にかけて座面が高くなる「シアターレイアウト」を採用。どの席からも良好な視界を確保していました。
ボディサイズは全長約4960mm×全幅約2030mm×全高約1930mm、ホイールベースは約3124mm。乗車定員は2名×3列の計6名となっていました。
パワートレインなどの詳細スペックは公表されていませんが、当時のフラッグシップSUV「QX56」のプラットフォームをベースに開発され、V型8気筒エンジンとフルタイム4WDを組み合わせた仕様であったとされています。
その後、クラーザがそのままの姿で市販化されることはありませんでした。
しかし、縦型のLEDヘッドランプやダブルアーチグリルの意匠、そして「多人数が贅沢に移動する」という思想は、その後のインフィニティ各車や大型SUVのアイデンティティとして受け継がれた、と言えるかもしれません。
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インフィニティのクラーザは、SUVを単なる実用車としてではなく、乗員全員が主役になれる「社交の場」へと進化させた意欲的なモデルでした。
あまりに前衛的な6ドア機構は実現こそしなかったものの、その豪華で開放的な世界観は、今もなお高級SUVのあり方を問う異彩を放つ存在です。
Writer: 佐藤 亨
自動車・交通分野を専門とするフリーライター。自動車系Webメディア編集部での長年の経験と豊富な知識を生かし、幅広いテーマをわかりやすく記事化する。趣味は全国各地のグルメ巡りと、猫を愛でること。





































