V12エンジンの「4人乗りSUV」出現!? 全長4.9mに「カウンタックエンジン」×5速MT搭載! 超・重量級車体&豪華内装のランボルギーニ「LM002」“国王所有車”が米AACで登場

ランボルギーニのステーションワゴン「LM002」が海外オークションで登場しました。実はこの1台、とんでもないヒストリーを持つものでした。

LMってそもそもどんなクルマ?

 ではここで、改めてLM002に到るまでの「LMシリーズ」の歴史を簡単に辿りましょう。

 今でこそランボルギーニでは「ウルス」というスーパースポーツカー顔負けのSUVを販売していますが、それよりもずっと前に、ランボルギーニは超高級SUVを作り上げていました。それこそが、まさにLM002だったのです。

通常のLM002
通常のLM002

 しかもその源流は、なんと軍用車でした。

 1970年代後半、ランボルギーニは軍用車市場への進出を図り、アメリカ軍から軍用車の設計を依頼されていたモビリティ・テクノロジー・インターナショナル(MTI)と手を組みます。当時のランボルギーニは経営難にあえいでおり、MTIからの声かけを無視できませんでした。

 ここで誕生したのが、スーパーカーブームを経た人ならご存知の「チーター」と呼ばれるプロトタイプです。

 チーターはクライスラー製の5.9リッターV型8気筒エンジンをミッドに搭載した4WDの高機動車でした。しかしそのレイアウトが仇になり操縦性は劣悪、3速オートマチックによって伝達される180psの最高出力も、重たいチーターには足りないと評されてしまいました。

 さらに悪いことに、MTIが行なったチーターの元設計が、FMCという会社が開発していた軍用試作車「XR-311」と酷似しているとして、FMCから訴えられる事態に発展。チーターのプロジェクトは終わりを迎えました。

 しかしその後もランボルギーニはこのジャンルを諦めておらず、1981年にはエンジンをAMC製に換えた試作モデル「LM001」を1台だけ製作します。

 ところがLM001でもハンドリングが改善されていなかったことから、1982年に試作した「LMA002」では、エンジンをフロントに移動。しかも自社のカウンタック用V12エンジンを搭載したことで、最高出力は一気に330ps超を達成しました。

 そして1986年、ついに量産モデルのLM002がデビュー。LM002は、1993年までに300台ほどが生産されました。

 このほかLMシリーズには、再び軍用車の正式採用を目指したものの、選定されたVM製3.6リッターディーゼルエンジンのパワー不足でお蔵入りとなった「LM003」や、同じくLM003を名乗りながらも、LM002のモデルチェンジ版としてザガートによってデザインまで起こされた「LM003ボルネオ」も存在しました。

 しかしどちらも生産されずじまいでした。

 そんなLMシリーズですが、最終的にはLM002の改良版として、7リッターエンジンを搭載して一層の高級化を行なった「LM004」も試作されましたが、こちらも量産されませんでした。

 しかしランボルギーニのスーパーSUV計画は、2017年に発表されたクロスオーバーSUVのウルスで花開くこととなりました。

 軍用車出自を感じさせるカクカクのボディ、カウンタック用V12エンジンの搭載など、ウルス以上にインパクトがあるLM002。今後もこのようなスーパーSUVが出てくることを期待してやみません。

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Writer: 遠藤イヅル

1971年生まれ。自動車・鉄道系イラストレーター・ライター。雑誌、WEB媒体でイラストや記事の連載を多く持ち、コピックマーカーで描くアナログイラスト、実用車や商用車・中古車、知られざるクルマの記事を得意とする。

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