ホンダの「“4人乗り”4ドアセダン」! 高性能4WD搭載&全長4.5m級「ちょうどいいサイズ」採用! スポーツカー並の「スポーツフォー」とは
世界初の画期的な4輪駆動技術を搭載し、乗員4人全員がスポーツカーの興奮を同時に共有できる「4ドアセダン」をホンダが造っていました。当時のファンを驚かせたその一台は、いったいどのようなモデルだったのでしょうか。
走りの喜びを全員で!
ホンダは、ドライバーだけでなく乗員すべてがスポーツカーの爽快感を味わえる、新しいセダンのあり方を追求した一台を開発していました。
20年以上前に、セダンの機能美とダイナミックな走行性能を高い次元で両立させた姿を示したのが「Sports 4 Concept(スポーツ4 コンセプト)」です。
このコンセプトカーは、2005年10月に開催された「第39回東京モーターショー」にて、参考出品車として世界初公開されました。
会場では、スポーツセダンらしい精悍なスタイリングと豪華な内装に、多くの来場者から驚きの声が上がりました。
ターゲットを「自分のライフスタイルを重視する大人」と定め、単なる多人数乗用車ではなく、移動そのものをエモーショナルな体験へと昇華させる一台として提案。4人それぞれが走りの緊張感と喜びを分かち合える、インテリジェントなパッケージングが施されていました。
デザインの最大の特徴は、鋭いウェッジシェイプと、各部の段差を極限まで排除したフラッシュサーフェス・ボディです。
フロントにはプロジェクターヘッドライトとマルチリフレクターを組み合わせた灯火類を採用し、低重心を強調するスタイリングを実現していました。
ボディサイズは全長4580mm×全幅1850mm×全高1360mm、ホイールベースは2700mmとなっており、足元には19インチの大径ホイールが奢られていました。
インテリアにおける白眉は、ルーフに配された「パーソナルスカイルーフ」と、4座すべてに用意された独立したバケットシートです。
また、メタルやウッド、レザーといった異素材を組み合わせた高コントラストな室内空間には、走行状況に応じたSH-AWDの作動状況を確認できるモニターも備えています。
これにより、パッセンジャー全員がドライバーと同じ走りの興奮を視覚的にも共有できる、独創的なパッケージングを体現していました。

駆動方式には、前後輪および後輪左右の駆動力を自在に制御する「SH-AWD(スーパーハンドリング・オールホイール・ドライブ)」を採用していました。
高いボディ剛性とSH-AWDの組み合わせにより、ドライバーの操作に忠実な旋回性能と高い車両安定性を狙ったスポーツセダンとして開発されていました。
スポーツ4 コンセプトは、将来のセダン像を占うコンセプトカーであり、そのままの形で市販化されることはありませんでした。
いっぽうで、低くワイドなプロポーションやシャープなヘッドライトの意匠など、スポーツ4で示されたデザインエッセンスは、2008年に登場した8代目「アコード(CU型)」のスタイリングにも通じる部分が見て取れます。
※ ※ ※
SH-AWD自体は、2004年に登場した4代目「レジェンド」(海外名アキュラ「RL」)に世界で初めて搭載され、当時の自主規制上限である300psエンジンと組み合わせて市販化されました。
その後、この技術は北米を中心に展開されたアキュラ「TL」や「TLX」などのスポーツセダンにも採用されており、スポーツ4が示した「中型スポーツセダンにおけるSH-AWD活用」という方向性と重なる系譜が見て取れます。
4人全員が主役になれる独創的な空間を提示した同車は、セダンの枠を超えたホンダの情熱を象徴する一台だったといえるでしょう。
Writer: 佐藤 亨
自動車・交通分野を専門とするフリーライター。自動車系Webメディア編集部での長年の経験と豊富な知識を生かし、幅広いテーマをわかりやすく記事化する。趣味は全国各地のグルメ巡りと、猫を愛でること。



































